【薬学博士監修】乾燥肌と脂性肌はどう見分ける?肌悩み診断でお肌をチェック

自分好みのスキンケアや、コスメを選んだはずなのに、「使い心地がしっくりこない」と感じたことはありませんか。肌質によって抱えやすいお悩みや、相性の良いスキンケアのテクスチャーは異なります。

今回は、乾燥肌と脂性肌の見分け方について詳しくまとめました。2つの肌質を見分ける診断の方法もご紹介するので、自分の肌はどちらに近いのか悩んだときは参考にしてみてください。

 

目次

 


乾燥肌と脂性肌の違い

乾燥肌と脂性肌の違い


自分の肌質を意識しながら、スキンケアを選んでお手入れしている人も多いですよね。しかし肌質を見分けるのは、パッとお肌を見ただけでは難しいもの。まずは肌質を見分ける前に『乾燥肌』と『脂性肌』の特徴をおさらいしておきましょう。さらに、2つの異なる肌質をもつ『混合肌』についてもご紹介します。

 


『乾燥肌』の特徴

『乾燥肌』の特徴

 

乾燥肌は肌のうるおいと油分の両方が少なく、常に乾燥しやすいというのが特徴です。そのため湿度の低い冬は肌がカサつきやすく、メイクをしてから時間が経つと粉が吹いたような状態になることも。

お肌の油分が少ないと、肌本来がもっている保湿力に欠かせない『皮脂膜』に必要な皮脂が不足しがちになり、うるおいを保つ力が弱くなります

さらに皮脂は、外部刺激から肌を守るバリア機能のバランスを保つのにも欠かせません。しかし乾燥肌の場合は、うるおいと油分の両方が不足しやすいため、肌のバリア機能が低下し、肌刺激に敏感になってしまうことも。

乾燥肌の場合は肌にうるおいを与えるだけでなく、油分もプラスして、肌のバランスを整えるスキンケアを意識するのがポイントです。


『脂性肌』の特徴

『脂性肌』の特徴


脂性肌は、皮脂分泌が活発になりやすい肌というイメージが強い人もいるのではないでしょうか。実は脂性肌は肌の油分と、うるおいが多くベタつきやすい肌質のことを指します。乾燥肌とは真逆の特徴ですね。

脂性肌は皮脂分泌が活発になりやすいので、ニキビや肌荒れを起こしやすかったり、皮脂や古い角質が混ざり合って毛穴に詰まったりすることも。

スキンケアのポイントは余分な皮脂を洗い流し、お肌を引き締める収れんタイプや、油分の少ないスキンケアで保湿するのがおすすめです。

 


2つの肌質をもつ『混合肌』の特徴

2つの肌質をもつ『混合肌』の特徴


上記でご紹介した、『乾燥肌』と『脂性肌』の2つの肌質を合わせもった肌質もあります。それが顔のパーツ毎で異なる肌質をもつ『混合肌』です。混合肌はこのような特徴がありま

す。

  • 乾燥肌のようにカサつきやすい…目元・頬・口周り
  • 脂性肌のようにテカリやすくベタつきやすい…おでこ・鼻周り・フェイスライン

パーツ毎に肌質が異なるので、同じスキンケアアイテムを顔全体に使うのではなく、それぞれの肌質を意識してパーツ毎にお手入れをすることが大切です。

乾燥しやすい目元・頬・口周りなどは、保湿力に優れた美容液や、乳液を重ね塗りして、肌にうるおいと油分を与えてバランスを整えてみましょう。

またベタつきやすいおでこから鼻まわり、ニキビが目立ちやすいフェイスラインは、化粧水をメインに美容液、乳液でさっぱりとお手入れをするのがおすすめです。

 


乾燥肌と脂性肌の見分け方は?肌悩みをチェックして肌診断してみよう

乾燥肌と脂性肌の見分け方は?肌悩みをチェックして肌診断してみよう


先ほどご紹介したように、肌質によって抱えやすいお悩みは異なります。

乾燥肌の場合は、クレンジングや洗顔をすると肌にツッパリ感が出たり、メイクをしてから時間が経つと粉っぽくなる場合も。

反対に脂性肌の場合は、おでこや頬がテカリやすかったり、ニキビや肌荒れが目立ちやすかったりと、異なる肌悩みを抱えやすいので注意が必要です。

自分の肌質が乾燥肌と、脂性肌のどちらに近いのか、肌質をチェックしたいときは普段から抱えやすい肌悩みを確認するのがおすすめです。

まずはお肌を清潔に保つ洗顔後に感じやすい肌悩みや、お肌の状態をチェックしてみましょう。

 

洗顔後のツッパリ感が気になるときは『乾燥肌』タイプ

洗顔後のツッパリ感が気になるときは『乾燥肌』タイプ


洗顔後はお肌が一番無防備で、何もつけていない自然な状態です。マイルドな洗顔料を使っていても、タオルでお肌の水分を拭き取った後、ツッパリ感が目立ちやすいタイプの人は乾燥肌の可能性があります。

この時のツッパリ感は、お肌のうるおいが蒸発して水分不足になっているサインです。乾燥肌の場合はうるおいと皮脂の両方が不足しやすいので、洗顔後に肌のツッパリ感が目立ちやすいので注意しましょう。


またツッパリ感だけでなく、乾燥しやすい目元・口周りに小ジワが目立ちやすいのも乾燥肌の特徴です。年齢を重ねると肌のバリア機能は低下しやすくなるため、乾燥による小ジワも目立ちやすくなります。


ちなみにお肌のツッパリ感は、肌本来の保湿に必要な皮脂も汚れと一緒に洗い流された場合にも感じやすいので、洗浄力が強いクレンジングや、洗顔を頻繁に使っていないかどうかも見直してみましょう。

 


ツッパリ感よりも皮脂が気になる場合は『脂性肌』タイプ

ツッパリ感よりも皮脂が気になる場合は『脂性肌』タイプ


洗浄力の強い洗顔料を使っていても、洗顔後は肌のツッパリ感よりも、すぐに皮脂が分泌されテカリが気になる場合は脂性肌の可能性があります。脂性肌はお肌のうるおいも皮脂も多い肌質なので、ツッパリ感よりもテカリが目立ちやすいです。

しかしテカリが目立つからといって頻繁に洗顔すると、肌にかかる負担が大きくなり、刺激に肌が敏感になってしまうことも。洗顔の回数は多くても朝・晩の2回程度に留めて、クレイやミネラルを配合した余分な皮脂を洗い落としやすくする洗顔料を選んでみましょう。

 


メイク後に顔のテカリが目立ちやすい場合は『脂性肌』タイプ

メイク後に顔のテカリが目立ちやすい場合は『脂性肌』タイプ

肌質をチェックしたい時は、メイク後の肌にも注目してみましょう。

メイクをした後、時間が経って少し崩れてきた時に、顔全体にテカリが目立つときは脂性肌の可能性があります。

特におでこや、鼻周りのファンデーションが浮いて見えたり、顔全体がテカっていたりすると、皮脂分泌が活発で化粧崩れが目立つことも。

脂性肌の場合は余分な皮脂を吸収する成分が配合されている化粧下地や、肌なじみがサラッとしたパウダータイプのファンデーションなど、オイリー感の少ないベースメイクを選ぶのがおすすめです。

 


テカリよりも粉っぽさが気になるときは『乾燥肌』タイプ

テカリよりも粉っぽさが気になるときは『乾燥肌』タイプ


メイクをした後で時間が経つと、目元や、頬が粉っぽくカサカサした状態が目立つ場合は乾燥肌の可能性があります。特に乾燥肌はうるおいを長く保つ力が低下しているため、メイクしたてのお肌はうるおいのある状態に見えても、時間が経つにつれてうるおいが蒸発してしまい、粉っぽくカサカサした状態になりやすいです。


粉が吹いたようにメイクがカサつきやすい乾燥肌の場合は、保湿成分が配合された化粧下地や、リキッド、またはクリームタイプのファンデーションをベースメイクに組み合わせて、お肌のうるおいを長くキープしましょう。


ただベースメイクを何度も重ね塗りすると厚化粧になり、メイク後から時間が経ったときに、お肌の粉っぽさが余計に目立ってしまうこともあります。化粧下地とファンデーションを組み合わせる時は、スポンジやブラシを使って、薄い層を作るように重ねるのがポイントです。

 


肌悩みや、洗顔・メイク後の肌をチェックして自分の肌質を診断してみよう

肌質を見分けるのは、自分の肌でも難しいものです。自分が乾燥肌なのか、脂性肌なのか、肌質に悩んだときは自分が普段抱えやすい肌悩みや、今回ご紹介したように洗顔後・メイクした後のお肌の変化をチェックしてみましょう。

また乾燥肌と、脂性肌だけでなく、両方の特徴を合わせもつ混合肌という肌質もあります。スキンケアやメイクがお肌に合っていないと感じたときは、普段の自分のお肌をよくチェックしながら、肌質診断をしてみてはいかがでしょうか。


監修者:東京大学 薬学博士 杜 垚

監修者

薬学博士・杜 垚

東京大学農学部を首席の成績で卒業、同年東京大学農学部長賞を受賞。
東京大学大学院薬学系研究科で分子薬学博士号を取得。
大手化粧品会社にてスキンケア、ヘアケア、クレンジングの研究開発や成分配合に長年従事。
2020年株式会社Merry Plusを設立、代表取締役に就任。