【薬学博士監修】肌断食はやめたほうがいいって本当?期待できる効果やデメリットを紹介
「肌断食」という言葉を、耳にしたことはありますか?肌断食とは、最近流行りの美容法。肌のお手入れであるスキンケアを、あえてやめる方法のことです。「スキンケアをしないなんて、やめたほうがいいのでは?」と感じる人も多いはず。そこで今回は、肌断食の真実について解説していきます。
肌断食は本当にやめたほうが良いのか?実践するとどんな効果があるかもまとめています。肌断食についての知識を深めて、美肌づくりの参考にしてください。まずは、肌断食とは一体どういう方法なのか?疑問を解決していきましょう。
目次
肌断食とは何か?
肌断食は、肌がもともと持っているバリア機能などを引き出すことを目的としている美容法です。方法は簡単。洗顔後、化粧水やクリームなどのスキンケアをつけないで過ごすだけです。習慣になってしまっている過剰なスキンケアやメイクを見直すきっかけにもなるため、美容に敏感な女性達から注目されている美容方法なのです。
週に一回だけスキンケアをやめてみる、夜だけやめてみるなど、やり方にルールはありません。しかしながら、洗顔後に何もしない時間を作り、肌本来の力を取り戻すという考え方は共通しています。では、気になる肌断食の効果を見ていきましょう。
肌断食で期待できる効果は?
肌断食で期待できる効果は、大きく3つです。
- 肌断食をすることで肌のバリア機能が整うサポートになる
- 肌断食は乾燥肌の改善を目指しやすい
- 肌断食をすると自分の美容習慣の見直しになる
肌断食は、「肌本来の機能を整えるために行う」とされています。化粧品などで保湿ケアをしないことで、肌が本来持っている保湿機能やバリア機能を正常に戻す効果が期待できるのです。
また、肌断食をすると自分の美容習慣の見直しになるという声もあります。「話題のコスメだから、口コミがいいから」といって取り入れていたスキンケアなどは、精査されるきっかけになります。本当に自分の肌に必要なアイテムを見極められるのがメリットなのです。
しかし、肌断食はやめた方がいいといわれていることも。それはなぜなのか、やめたほうがいい人の特徴や、肌断食のデメリットも見ておきましょう。
肌断食はやめた方がいいって本当?
肌断食を、やめた方がいいというのは本当でしょうか?答えは一概にはいえません。じつは、肌断食には個人差があるのが注意点。すべての肌質に効果があるわけではないからです。肌断食をしたことで効果を感じる人もいれば、肌トラブルを引き起こしたり乾燥が悪化したりすることもあるのです。万が一、肌に異変を感じたら、すぐに中止をするのが大切です。
肌断食を失敗しないために、肌断食をやめたほうがいい人の特徴やデメリットを事前に知っておきましょう。
肌断食をやめたほうがいい人の特徴
肌断食をやめたほうがいい人の特徴をご紹介します。
- アトピー性皮膚炎など皮膚疾患を持っている人
- 乾燥がひどい肌質の人
- 日焼けをした直後の人
肌断食をやめたほうがいい人は、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患を持っている人です。皮膚疾患などは病気のひとつ。肌断食は健康な肌状態で行うべき方法なので、おすすめしません。皮膚疾患を持っていても、肌断食をどうしても取り入れたいという人は、専門医のアドバイスを受けるようにしてください。
また、ひどい乾燥肌の人にもおすすめしません。ひどい乾燥肌は、バリア機能が著しく低下していたり、自力で肌を守れなかったりするからです。肌断食をすることで、さらなる肌荒れやトラブルを引き起こす可能性があります。
日焼けをした直後の人も、肌断食を避けるべきです。日焼け直後のお肌は、乾燥が進んでいたり、炎症を起こしていたりします。正しいお手入れが必要な時期なので、日焼けが落ち着いてから始めることをおすすめします。
肌断食のデメリットを、まとめました。おさらいしておきましょう。
肌断食のデメリット【まとめ】
- 皮膚疾患がある人は向いていない美容方法である
- 肌質によっては乾燥が悪化する場合がある
- 肌のコンディションによっては向いていない美容方法である
肌断食をやめたほうがいい人や、デメリットを知ることができましたね。正しく理解して「肌断食を始めてみたい!」という人は、次の章へ進みましょう。
次は、肌断食の正しいやり方をご紹介していきます。今回は、全く何も塗らない「肌断食」の方法と、シンプルな保湿だけ行う「肌断食」の方法をご紹介します。無理せずにできる方法から、試してみてくださいね。
肌断食を始める2つの方法
肌断食を始める2つの方法をご紹介します。
肌断食の方法【何も塗らない】
洗顔後に、何も塗らない肌断食の方法をご紹介します。方法は至ってシンプル。洗顔後の肌には何もつけず、そのまま過ごすだけの方法です。
ポイントは、清潔な肌状態にしてから始めることです。洗顔は、余分な皮脂を取りすぎないように、やさしい洗浄力の洗顔料を使うようにしましょう。キメの細かい泡を作って、肌を擦らずにやさしく洗います。
洗顔後、肌には何も塗りません。タオルで顔の水気をやさしく抑えたら、そのままの状態で過ごしてください
肌断食の期間は1年?
肌断食には、正確に定められている方法や期間などは存在しません。人によって、数年間続けているというケースもあれば、1ヶ月だけで効果を感じたというケースもあるようです。万が一、肌に異変を感じたらすぐに中止するということを念頭におき、自分のペースで決めた期間を設定するとよいでしょう。
注意点とアドバイス
日中、外に出かけるという人も多いはずです。その場合は、日焼け止めを塗る必要があります。肌断食は、外出をしない日だけ行ったり、夜だけ試してみたりするなど、ライフスタイルを考慮しながら行ってみてください。
次は、ワセリンのみを使う肌断食の方法をご紹介していきます。
肌断食の方法【ワセリンを使う】
ワセリンのみを使う肌断食の方法をご紹介していきます。ワセリンとは、石油から精製された保湿剤。油分で膜を作ることが主のため、皮膚表面に薄い膜を作り水分が蒸発するのを防ぐ効果があります。
ワセリンは、天然成分である石油を高純度に精製する方法でできているのが特徴。肌に刺激の強い不純物はほとんど取り除かれているため、刺激性が少ないとされています。医療機関で使用されていたり赤ちゃんでも使えたりと、肌へのやさしい使い心地がメリットです。
ワセリンは、薬局やドラッグストアでも購入可能。気軽に手に入るので、肌断食初心者の方はこの方法から試してみてください。ワセリンを使った肌断食は、洗顔後のお肌にワセリンのみを塗る方法です。ワセリンの塗り方にはコツがあるので、詳しく解説していきます。
ワセリンの使い方
ワセリンは、常温では固形状で硬めのバームです。そのため、一度手のひらに取って少し温めてから塗る必要があります。ワセリンが手のひらの体温で柔らかくなると、肌の上でものばしやすくなります。手のひらを使って、優しく顔全体に馴染ませましょう。
薄い膜を作るようなイメージで、少量をハンドプレスしながらつける方法がおすすめです。つけすぎたり、肌のベタつきが気になる場合は、ティッシュで抑えておきましょう。
注意点とアドバイス
ワセリンを塗った後は、紫外線に気をつけましょう。ワセリンは油分です。ワセリンに含まれる不純物は、紫外線によって酸化する可能性があります。その結果、シミや色素沈着の原因になる場合があるのです。日焼け止めは塗るようにしておきましょう。
肌断食中の日焼け止めのクレンジングは?
肌断食をしている最中でも、必要なときは日焼け止めの使用がおすすめです。そのため、日焼け止めを使用した日は、クレンジングで落とす必要があります。
肌断食中は、肌がデリケートな状態です。そのため、以下のようなポイントを考慮してクレンジングを選んでみてください。
- 肌のうるおいを守りながら落とせるクレンジング
- 植物由来成分のクレンジング
- 低刺激と謳われているクレンジング
- 保湿成分が配合されているクレンジング
無理せず続く美容法を取り入れよう
今回は、話題の美容方法「肌断食」について解説しました。肌断食は本当にやめたほうが良いのか?その答えは一概にはいえません。しかし、実践することで肌本来の機能が整う期待ができることがわかりました。自分にあった方法で、無理せずに肌断食を取り入れて、美肌づくりを続けてみてくださいね。
監修者
薬学博士・杜 垚
東京大学農学部を首席の成績で卒業、同年東京大学農学部長賞を受賞。
東京大学大学院薬学系研究科で分子薬学博士号を取得。
大手化粧品会社にてスキンケア、ヘアケア、クレンジングの研究開発や成分配合に長年従事。
2020年株式会社Merry Plusを設立、代表取締役に就任。
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