【薬学博士監修】オーガニック化粧品とは?日本と海外の違いや選び方のポイントを紹介
オーガニック化粧品は、「肌に良い」「自然な香料で使いやすい」というイメージがある人も多いです。しかし通常の化粧品との違いや、はっきりした特徴は知らずになんとなく使っているという人もいるのではないでしょうか。
今回は、オーガニック化粧品とはどのようなものなのかを詳しくまとめました。オーガニック化粧品の選び方も合わせてご紹介するので、「使ってみたかったけれど選び方がわからない」という人もぜひ参考にしてみてください。
目次
- オーガニック化粧品とは
- 「オーガニック化粧品=無添加」とは限らない
- 「オーガニック」と「ボタニカル」は違うもの
- 日本と海外のオーガニック化粧品の違い
- 海外のオーガニック化粧品は厳しい基準がある
- 日本はオーガニックの成分が配合されているだけでもOK
- オーガニック化粧品の選び方のポイント
- 自分の肌質に合わせて選ぶ
- 海外のオーガニック認証を受けているかチェック
- 香りの有無で選ぶ
オーガニック化粧品とは
オーガニック化粧品とは、オーガニックで育てられた植物から抽出した成分を配合している化粧品のことです。
そもそもオーガニックとは英語で「有機」という意味を指す言葉です。一般的には、農薬や化学肥料を使わずに自然に近い有機栽培で育てたもののことを指します。
食品ではオーガニックと表記する商品には厳しい基準が存在しますが、日本ではまだオーガニック化粧品の明確な基準が定められていないため、メーカー独自の基準で化粧品の表現に使われています。
「オーガニック化粧品=無添加」とは限らない
オーガニック化粧品はあくまでもオーガニックの成分が配合された化粧品のため、「無添加処方にしなくてはならない」という規定はありません。
製品によっては商品の性質を保つために添加物や、見た目を良くするための人工着色料、魅力的な香りにするための人工香料を一緒に配合しているものもあります。
オーガニック化粧品には有機栽培で育てられた植物から抽出された成分が配合されていますが、必ずしも肌に負担がかかりにくいとは限りません。肌質によっては成分が刺激になる場合もあります。肌刺激が気になる場合は、使用する前にパッチテストで肌の様子をチェックしてみましょう。
「オーガニック」と「ボタニカル」は違うもの
オーガニックと混合されやすいのが「ボタニカル」という表現です。
化粧品で使われることが多いボタニカルは「植物由来の」という意味を指しますが、オーガニックではありません。
ボタニカルの成分といっても有機栽培で育てられた植物から抽出されたものとは限らないため、オーガニック化粧品にこだわりたいときは表記に注意しましょう。
日本と海外のオーガニック化粧品の違い
日本ではオーガニック化粧品の明確な規定がないため、メーカーごとに基準が異なります。
しかし海外ではオーガニック化粧品に対して厳しい基準を設けている認定機構があるため、日本のメーカーでも海外のオーガニック認定を基準にしたり、海外の認定制度を取得したりするメーカーも増えています。海外のオーガニック化粧品は、どのような基準をクリアしているのか見ていきましょう。
海外のオーガニック化粧品は厳しい基準がある
海外のオーガニック化粧品は、数%のオーガニックの成分が含まれている化粧品というだけでは基準をクリアできないものが多いです。
例えばフランスに本部がある有名なオーガニック機構の「エコサート認証」では、このような基準が定められています。
- 95%が天然原料であること
- 10%はオーガニックでなければならない
- 植物原料の95%以上はオーガニックでなければならない
- 化学香料は使用不可
人工的な香料は使われていませんが、製品によっては天然の精油を使用したナチュラルな香りを楽しむことができます。
この他にもドイツのオーガニック認証機関である『NaTrue(ネイトゥルー)』では、化粧品の製造段階での規定もあり、製品や植物性の成分には放射線処理をすることはできず、動物実験を行わないように定められています。
日本はオーガニックの成分が配合されているだけでもOK
海外のオーガニック認定の一部をご紹介しましたが日本はこうした厳しい基準がないため、わずか数%でも有機栽培で育てられた植物由来の成分が配合されていれば、オーガニック化粧品として販売されているものがあります。
有機栽培で育てられた植物の栽培基準や、成分の配合量に関しての規定は明確なものがないため、あくまでもメーカー側の基準で判断されて販売されています。
オーガニック化粧品の選び方のポイント
実際にオーガニック化粧品を使いたい時はどんな基準で選べばいいのでしょうか。初めて購入するときにも、参考にしやすい選び方のポイントをご紹介します。
自分の肌質に合わせて選ぶ
オーガニック化粧品と言っても沢山の種類があります。
皮脂分泌が活発になりやすい脂性肌タイプの人は、肌を引き締めてくれるビタミンC誘導体・整肌成分などを一緒に配合しているものや、さっぱりとしたテクスチャーの化粧品がおすすめです。
肌の乾燥や敏感肌にお悩みの場合は、保水力に優れた保湿成分が配合されているものや、肌刺激になりにくい成分が一緒に配合された保湿力の高いアイテムを選んでみましょう。
保水力に優れたヒアルロン酸、肌のバリア機能を整えてくれるセラミド、うるおいとハリを与えるコラーゲンなど、複数の保湿成分が配合されたものがおすすめです。
海外のオーガニック認証を受けているかチェック
フランスやドイツ、アメリカなどの海外のオーガニック認証を取得したオーガニック化粧品を選んでみましょう。
日本ではオーガニック化粧品といっても基準が曖昧なため、製品によっては化学香料や人工着色料が含まれているものや、数%しかオーガニックの成分が配合されていない化粧品もあります。
一方海外の認証では厳しい基準が設けられているので、オーガニックにこだわりたい人にもぴったりです。
近年は日本のメーカーでも、海外のオーガニック認証を取り入れた商品が続々と販売されています。認証を取得した化粧品にはそれぞれ認定マークが印字されていたり、パッケージに団体名が記載されていたりするのでパッケージをよくチェックしてみましょう。
香りの有無で選ぶ
オーガニック化粧品は人工香料を使っていない製品が多いので、精油を使った天然の香りを楽しむことができます。
フローラル系の香りが好きな人はラベンダー・ゼラニウム・ローズ・ネロリなどがおすすめです。爽やかな香りやほのかに香る程度の匂いが好ましい場合は、柑橘系やペパーミント・ユーカリ・ローズマリーで気分をリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。
香り自体が苦手な人や周囲に香りを漂わせたくない場合は、匂いが目立たない無香料タイプを選んでみましょう。
自分と相性の良いオーガニック化粧品で美肌を目指してみよう
オーガニック化粧品といっても日本には厳しい規定がないため、オーガニックの成分がほんのわずかしか配合されていなかったり、人工香料が使われていたりします。本格的なオーガニック化粧品を使いたい場合は、海外のオーガニック認証を取得した化粧品から選ぶのがおすすめです。
自分の肌質やお悩みと相性の良いオーガニック化粧品を使って、美肌を目指してみてはいかがでしょうか。
監修者
薬学博士・杜 垚
東京大学農学部を首席の成績で卒業、同年東京大学農学部長賞を受賞。
東京大学大学院薬学系研究科で分子薬学博士号を取得。
大手化粧品会社にてスキンケア、ヘアケア、クレンジングの研究開発や成分配合に長年従事。
2020年株式会社Merry Plusを設立、代表取締役に就任。
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