【薬学博士監修】アスタキサンチンってどんな成分?期待できる肌への効果は?
エイジングケア対策に役立つといわれる成分は複数あります。しかしその中には、希少性が高く入手困難だったり、価格が高額だったりする種類もあるのです。それなら、容易に入手できるアスタキサンチンの摂取で、エイジングケア対策をしてみてはいかがでしょうか。こちらの記事では、アスタキサンチンの特徴や期待できる肌への効果をご紹介しています。
目次
- アスタキサンチンに期待できる肌への効果とは
- 水分保持効果
- 紫外線による光老化の予防
- アスタキサンチンの効果はいつから実感できる?
- 肌への効果はターンオーバー周期と平行する
- 肌だけではなかった!アスタキサンチンのすごい効果とは
- 目の健康維持
- 脳機能の健康維持
アスタキサンチンとは?
アスタキサンチンとは、赤い色素「カロテノイド」の一種で、優れた抗酸化作用を持つことから、エイジングケアに役立つ成分として注目されています。
なお、赤い色素は地球上のいたるところに存在していますが、アスタキサンチンは魚類や甲殻類、紅藻といった海洋性生物にしか含まれていません。
それは、アスタキサンチンは海洋性生物が紫外線を受けた際、紫外線から身を守る目的で生成される成分だからです。
また、アスタキサンチンは天然由来の色素であるため安全性が高く、美容や医療の分野において幅広く活用されています。
アスタキサンチンに期待できる肌への効果とは
アスタキサンチンは、健康や美容分野においてあらゆる効果が期待されている成分です。
それでは、アスタキサンチンに期待できる効果についてご紹介していきましょう。
水分保持効果
アスタキサンチンには、肌の水分保持効果を期待できます。
肌の真皮細胞は「コラーゲン」、「エラスチン」という線維状のタンパク質がその大部分を占めています。その間を「ヒアルロン酸」などの基質が水分を抱えながら満たしています。真皮層にある繊維芽細胞が、これらの元となる細胞です。
繊維芽細胞は、食品から得た栄養素を元に、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を生成します。
そしてその際には、アスタキサンチンを摂取しておくことで、これら成分がよりスムーズに生成されることになるのです。
コラーゲンには肌の弾力やうるおいを保つ働き、エラスチンにはコラーゲン細胞同士をつなぎとめる働き、ヒアルロン酸にはコラーゲン細胞の間の水分保持を担う働きがあります。
つまり、これら3つの成分のうち、どれかひとつが欠けただけでも、肌のコンディションが崩れる可能性があるということなのです。
アスタキサンチンは食品やサプリメントから摂取できますので、ぜひ、積極的な摂取を心がけてみてください。
また、肌の水分保持は外部からのケアも必要ですので、アスタキサンチンを高濃度で配合しているクレンジング、化粧水や乳液、美容液、クリームなどでのケアもあわせて行いましょう。
紫外線による光老化の予防
アスタキサンチンが持つ抗酸化作用は活性酸素の発生抑制に役立ちます。
活性酸素とは、呼吸によって体内に送り込まれた酸素の一部が変成した物質で、紫外線の影響を受けると体内量が増えるといわれています。
そしてこの物質が肌細胞内で増えてしまうと、肌を支える真皮のコラーゲン線維やエラスチン線維を分解する酵素の産生を促すことにより、真皮の構造を劣化させ、その結果、シワを形成させることになり、光老化のスピードが加速する原因になることがあるのです。
それは、本来の活性酸素は外敵から健康な肌細胞を守る働きをしますが、数が増えすぎてしまうと、外敵だけでなく健康な肌細胞も外的とみなし、攻撃してしまうのです。
光老化の象徴ともいえるのはシミやシワ、たるみで、活性酸素の体内量が増えるほど、これらのトラブルが起こりやすくなるといわれています。
そして、そのような状態を防ぐ対策として役立つのが、アスタキサンチンが持つ抗酸化作用なのです。
なお、強い抗酸化作用を持つ成分としてよく知られているのはビタミンEです。
ビタミンEは”若返りのビタミン”とも呼ばれることがあり、肌老化や肌荒れを防いだり、動脈硬化や高血圧を予防したり、あらゆる作用を持つとされています。
このように強力な抗酸化作用を持つのがビタミンEですが、実は、アスタキサンチンはビタミンEの約550倍もの抗酸化力を持つといわれているのです。
つまり、効率良く光老化を予防したいと考えるなら、アスタキサンチン摂取での対策が効果的だということです。
アスタキサンチンの効果はいつから実感できる?
アスタキサンチン配合の化粧品を使い始めて思うこと、それは「いつから肌への効果を実感できるのか?」という点なのではないでしょうか。
実は、アスタキサンチン配合の化粧品は、使い始めてすぐの効果は期待できず、早い方でも使い始めてから1カ月間は効果を実感できないでしょう。
では、それはどのような理由によるものなのでしょうか。
肌への効果はターンオーバー周期と平行する
肌細胞は常に入れ替わりを繰り返しており、古い角質が剥がれて新しい角質が出現するまでの周期はターンオーバーと呼ばれています。
また、理想的なターンオーバー周期はおよそ28日間といわれていますので、アスタキサンチン配合の化粧品を使い始めてから28日間は、はっきりとした効果を実感しにくいということになります。
ただし、28日間というのはあくまでも理想的な周期であって、人によっては2カ月、3カ月というように、緩やかなスパンでターンオーバーが繰り返されることもあります。
つまり、アスタキサンチンの効果を実感したいのなら、数か月間は使い続けて様子を見ることが大切だということです。
肌だけではなかった!アスタキサンチンのすごい効果とは
上記では、化粧品に配合されているアスタキサンチンが肌にもたらす効果についてご紹介してきました。
しかし、アスタキサンチンに期待できる効果はこの限りではありません。
というのは、アスタキサンチンを含む食品の摂取では、私たちの生活と切り離して考えることができない、老化予防効果を期待できるからです。
それでは、経口摂取で実感できる、アスタキサンチンのすごい効果をご紹介しましょう。
目の健康維持
紫外線による悪影響というと、色素沈着や乾燥肌などのイメージが強いかもしれません。
しかし、紫外線が及ぼす悪影響は肌細胞に留まらず、目にも及ぶことがあるのです。
それは、目が紫外線を受けると、肌細胞と同様に活性酸素が増加し、角膜や水晶体がダメージを受けます。
そしてその結果、急に涙が出たり、目のごろつきが気になったり、目が充血したりと、わかりやすい症状が現れることがあるのです。
このような症状は、角膜が紫外線の刺激を受けたことで現れますが、アスタキサンチンを摂取することで、このようなトラブルの予防や改善を行えるといわれています。
脳機能の健康維持
活性酸素の体内増加は、紫外線だけではなく、大気汚染物質やアルコール成分、ニコチンやタールなどが原因となることも少なくありません。
そして、これらの原因によって体内の活性酸素量が増えると、脳にも悪影響が及ぶことがわかっています。
このように、脳は活性酸素の影響を受けやすい器官ですが、常日頃からアスタキサンチンを摂っておけば、多少なりとも活性酸素の影響を受けにくくなるでしょう。
脳の機能が衰えると、脳梗塞をはじめとする脳疾患のリスクが高まりますので、そうならないためには、アスタキサンチンを摂るなどの対策が必要です。
アスタキサンチンをうまく取り入れた美容法を実践しましょう
今回は、アスタキサンチンの特徴や期待できる効果についてご紹介してきました。強い抗酸化作用がある成分として良く知られているのはビタミンEですが、アスタキサンチンはなんと、ビタミンEの約550倍もの抗酸化作用があるといわれているのです。
抗酸化作用がある成分摂取は、光老化をはじめとする老化現象のスピードを緩める働きがあるといわれています。
つまり、効率良く老化予防をしたいとお考えなら、アスタキサンチンをうまく取り入れた美容法を実践することが望ましいということです。
なお、アスタキサンチンの効果はすぐに実感できるものではありませんので、はっきりとした効果を実感したいのなら、2カ月後、3カ月後というように、長いスパンで考えることが大切です。
監修者
薬学博士・杜 垚
東京大学農学部を首席の成績で卒業、同年東京大学農学部長賞を受賞。
東京大学大学院薬学系研究科で分子薬学博士号を取得。
大手化粧品会社にてスキンケア、ヘアケア、クレンジングの研究開発や成分配合に長年従事。
2020年株式会社Merry Plusを設立、代表取締役に就任。
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