【薬学博士監修】ホットクレンジングが肌に悪いって本当?メリット&デメリットから肌に適した使い方を紹介
ホットクレンジングはじんわり温かさを感じるテクスチャーと、さっぱりとした使い心地が幅広い年齢層に人気のメイク落としです。
しかしネットでは「ホットクレンジングが肌に悪い」という意見も見かけられます。長く愛用しても良いのか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
今回は「ホットクレンジングが肌に悪い」と言われる理由や、メリット&デメリットを詳しくまとめました。肌に適した使い方から使用頻度についてもご紹介しているので、ホットクレンジングを愛用している人や、これから試してみようと思っている人も参考にしてみてください。
目次
- ホットクレンジングは肌に悪い?
- 温かく感じる理由は「グリセリン」によるもの
- グリセリンと相性の悪い人もいる
- ホットクレンジングのメリット
- 温感で毛穴が開きやすくなる
- 肌をやわらかく整える
- 保湿成分が多く配合されているものが多い
- ホットクレンジングのデメリット
- 温感が肌刺激になってしまうケースがある
- ポイントメイクが肌に残りやすい
- ジェルで皮膚を擦りすぎてしまう可能性がある
ホットクレンジングは肌に悪い?
肌になじませるとじんわりと温かくなり、メイクオフを可能にしてくれるホットクレンジングですが、「肌に悪いのでは?」という意見を見かけます。
特に人肌程度とはいえ、肌になじませるだけでクレンジング自体が温かくなるのは肌に影響がないのか不安になる人もいるのではないでしょうか。
ホットクレンジングの「温感」について詳しく見ていきましょう。
温かく感じる理由は「グリセリン」によるもの
ホットクレンジングをなじませると温かく感じるのは、配合されている「グリセリン」という保湿成分の性質にあります。
グリセリンは「水分に反応し発熱する」という特徴があり、肌になじませることで皮膚の水分などに反応してじんわりと温かく感じます。グリセリンによる温感は一度反応すると、繰り返されることはありません。
水分を含む化粧品に保湿成分としてグリセリンが配合されているものもありますが、それらはすでに反応し終わっているので肌につけてもホットクレンジングのような温かさを感じることはなく肌にうるおいを与えてくれます。
グリセリンの他にも保湿成分の「ポリエチレングリコール」も同じ特徴があり、ホットクレンジングで配合されることが多い成分です。
グリセリンと相性の悪い人もいる
ホットクレンジングに配合されやすいグリセリンは、肌によって相性が良くない場合があります。
特に皮膚の乾燥が目立つ時や、ニキビが気になる時は注意が必要です。グリセリンが水分に反応する際に肌の水分を必要以上に奪ってしまい、乾燥が目立ってしまう可能性があります。
皮膚が乾燥すると保湿に必要な皮脂分泌が活発になり、肌の油分と水分のバランスが乱れやすくなります。
しかしグリセリン自体は、保湿力に優れた安全性の高い成分です。肌の乾燥が気になる時は水分とグリセリンが一緒に配合された温感作用のない化粧水や、美容液・乳液を使用してみると良いでしょう。
ホットクレンジングのメリット
「肌に悪い」という意見があるとデメリットに注目しがちですが、ホットクレンジングには良い面もあります。どのようなメリットがあるのかチェックしてみてください。
温感で毛穴が開きやすくなる
ホットクレンジングはじんわりと人肌程度に温かくなります。肌になじませている内にほどよく皮膚が温まることで閉じていた毛穴がゆるみ、肌の汚れを浮かせて落ちやすくしてくれます。
冬場で皮膚が冷たく毛穴がキュッと閉じやすい時や、ホットタオルや入浴でじっくりと肌を温める手間を減らして毛穴汚れを手軽にすっきりさせた時にもおすすめです。
肌をやわらかく整える
ホットクレンジングで皮膚がじんわりと温まると汚れが落ちやすくなるだけでなく、毛細血管の血行も良くなり、こわばっていた肌がやわらかくなります。
皮膚がやわらかく整うと洗顔後に使う化粧水や、美容液・乳液などの成分が角質層へ浸透しやすくなります。
保湿成分が多く配合されているものが多い
ホットクレンジングは「温感」をいかすために水を含まず、グリセリンやポリエチレングリコールなどの保湿成分が多く配合されています。
ヒアルロン酸やコラーゲン・セラミド・植物由来の保湿成分も一緒に配合されていて、肌に潤いを与えて洗顔後の肌をなめらかに整えてくれるものもあります。
温感による皮膚の乾燥が気になる場合は、保湿成分の配合量や種類をチェックしてみると良いでしょう。
ホットクレンジングのデメリット
ホットクレンジングのメリットを紹介しましたが、良い面もあればデメリットもあります。メリットとデメリットの両方をチェックしながら、自分の肌との相性を確かめてみてください。
温感が肌刺激になってしまうケースがある
じんわりと温かくなるホットクレンジングですが、皮膚が刺激に敏感になっていると肌に赤みが目立つ場合があります。特に皮膚の薄い目の周りや、赤みが目立ちやすい鼻周り・顔全体の皮膚自体が薄い人は注意が必要です。
商品や体感によって感じる温かさは異なるので、肌刺激が気になる時はテスターやサンプルで使い心地を確かめてから、顔全体のメイク落としに使用するのがポイントです。
ポイントメイクが肌に残りやすい
ホットクレンジングはメイクや皮膚の汚れを浮かせて洗い流しやすくしてくれますが、洗浄力自体はあまり強くありません。
水・汗に強いウォータープルーフ加工のアイメイクや、落ちにくいリップティントなどのポイントメイクは成分が皮膚に残ってしまう場合があります。
ホットクレンジングを使う前にポイントメイク向けのリムーバーでメイクオフをしてから、顔全体のクレンジングを行うのがおすすめです。
ジェルで皮膚を擦りすぎてしまう可能性がある
ホットクレンジングは水を含まないため、ジェルといってもこってりとしたテクスチャーのものが多いです。
水分を含む化粧品よりも伸びにくいため、肌になじませる量が少ないと皮膚を必要以上に擦ってしまい、肌刺激になる可能性があります。
1回の使用量はやや多めにし、指の腹を使って皮膚をジェルでなでるようにクルクルとなじませると良いでしょう。顔全体になじんだら、手早く濯いで時間をかけずに洗い落とすのがポイントです。
ホットクレンジングの適した使い方をチェック
ホットクレンジングはデメリットがありますが、適した使い方をマスターすればメイクや毛穴に残りやすい汚れもすっきりとさせてくれます。色の濃いアイメイクやリップティントは皮膚に残りやすいので、ホットクレンジングをなじませる前に落としておくのがポイントです。
さらに水分に反応しやすいため、顔や手が乾いた状態で使うことも大切です。少量のクレンジングでは肌になじませた時に摩擦が起こりやすいので、やや多めの量を出して使うことも意識してみましょう。
「メイクが落ちにくい」「肌負担が気になる」という場合は、ホットクレンジングの使い方をチェックして適した使い方ができているかチェックしてみてください。
毎日のメイク落としにホットクレンジングを使用しても良い?
毎日のクレンジングをホットクレンジングで行うのは可能です。
しかしホットクレンジングの温感は種類や肌の状態によっても感じ方が異なるので、肌刺激に敏感な時は目立たない部分でパッチテストをしたり、サンプルで使い心地を確認したりしてから普段使いしてみるのがおすすめです。
ニキビや肌の乾燥が気になる場合は、温感のないクレンジングで肌のコンディションを整えてからホットクレンジングを試してみるのも良いでしょう。
良い面と悪い面の両方を確認してホットクレンジングを試してみよう
「肌に悪い」という意見を見かけるホットクレンジングですが、デメリットもあれば良い面もあります。
特に温感で毛穴に詰まりやすいメイクや汚れを浮かせて落ちやすくしたり、肌をやわらかく整えたりするメリットがあるので、忙しい時のメイク落としにぴったりです。
ホットクレンジングの良い面と悪い面のどちらもチェックしながら、肌の状態に合わせてスキンケアにとりいれてみてはいかがでしょうか。
監修者
薬学博士・杜 垚
東京大学農学部を首席の成績で卒業、同年東京大学農学部長賞を受賞。
東京大学大学院薬学系研究科で分子薬学博士号を取得。
大手化粧品会社にてスキンケア、ヘアケア、クレンジングの研究開発や成分配合に長年従事。
2020年株式会社Merry Plusを設立、代表取締役に就任。
- 選択結果を選ぶと、ページが全面的に更新されます。
- スペースキーを押してから矢印キーを押して選択します。