【薬学博士監修】温泉水の美肌効果とは?スキンケアで取り入れる方法を紹介

温泉に入った後は、肌がいつもよりも潤った感覚になる人も多いのではないでしょうか。

温泉水は通常の水よりもミネラルが豊富で、古くから美容と健康パワーは注目を浴び親しまれてきました。


今回は温泉水の美肌効果について詳しくご紹介します。

自宅で温泉水を普段のスキンケアに取り入れる方法もまとめているので、温泉で美肌を目指したい人も必見です。

 

目次

 

温泉水の美肌効果とは

温泉水の美肌効果とは


温泉水の美肌効果は、温泉に含まれる豊富な天然のミネラルや泉質が関係しています。


ミネラルが豊富な温泉水は体が温まりやすく、温まった体温が冷めにくい状態に整えてくれるため、細い血管の多い皮膚の血流を良くしてくれたり、美肌に大切な栄養を行き渡りやすくしてくれたりします。

硬水の温泉水の方が軟水に比べてミネラルの含有量が多く、特にカルシウムとマグネシウムを豊富に含んでいることが多いです。


さらに温泉の泉質によって、美肌効果は異なります。


「炭酸水素塩泉」は古い角質や皮膚をやわらかくして、余分な皮脂を洗い流しやすくします。温泉に入った後で「肌がツルすべに整った」と感じる人が多く、「美肌の湯」とアピールする温泉もあります。肌がサラッとなめらかに整うので、皮膚のベタつきが気になる時にもおすすめです。


温泉水の中でも効能成分が薄く、肌刺激がマイルドで、やわらかな質感の「アルカリ性単純温泉」も古い角質を洗い流しやすくし、なめらかな肌に整えてくれます。

ちなみにpH値が8.5以上の単純温泉のことを「アルカリ性単純温泉」、pH値7.5~8.4の単純温泉を「弱アルカリ性温泉」と呼びます。


「硫黄泉」の場合は、余分な老廃物の排出を促し皮膚をなめらかに整えてくれます。肌のハリやゴワつきなど、年齢肌のお悩みが気になる人にも向いている温泉水です。 


保湿力に優れた「硫酸塩泉」は、肌の新陳代謝を活性化し、皮膚を包み込むように潤いを与えてキメの整った肌に導いてくれます。また、「硫酸塩泉」も余分な皮脂を洗い流す力があり、なめらかな肌に整えてくれます。


温泉は泉質によって特徴が違うので理想の肌に合わせて、泉質の種類を選んでみると良いでしょう。

 

温泉水をスキンケアに取り入れる方法

温泉水をスキンケアに取り入れる方法


様々な美肌パワーを秘めている温泉水ですが、自宅でスキンケアに取り入れる方法はあるのでしょうか。

温泉水を自宅でのスキンケアに取り入れる方法をご紹介します。


温泉水で入浴をする

温泉水で入浴をする


温泉水を使って自宅でも全身浴をすれば、気軽に温泉の美肌パワーを全身に浴びることができます。


温泉によっては持ち帰り可能な温泉水があり、有料スタンドで必要な量を購入できる場所があるので自宅で温泉水の入浴をすることも可能です。


無料で持ち帰りが可能な温泉施設もありますが、量が限られている場合もあるので必要量を事前にチェックしてみましょう。


飲料用の温泉水を飲む

飲料用の温泉水を飲む


ミネラル豊富な温泉水を飲んで、体の内側から美肌パワーをとりいれる方法もあります。

しかし温泉水には飲料に向いていないものもあるので、飲料に向いている温泉水かどうかよく確認してから飲みましょう。


体質によっては温泉水の成分でお腹がゆるくなったり、吐き気を催したりすることがあります。

初めて飲む時は少量ずつ飲み、1度に大量に摂取するのは避けましょう。


温泉水を配合した化粧品を使う

温泉水を配合した化粧品を使う


温泉水そのものではなく、温泉水を配合した化粧品を使ってお手入れをするのもおすすめです。

温泉水が化粧品に配合されている場合、泉質に含まれる成分の他に保湿成分や整肌成分も一緒に含まれることが多いので、温泉水特有の匂いやテクスチャーが抑えられ、クセがなく使い勝手の良い状態で取り入れることができます。


化粧水や美容液・保湿クリームなど様々な形状の化粧品に配合されているので、肌質や好みに合わせて自分が使いやすいものを選びやすいというメリットもあります。

 

温泉をそのままスキンケアに使うことは可能?

温泉をそのままスキンケアに使うことは可能?


美肌パワーに優れた温泉水を持ち帰って、化粧水代わりに普段のスキンケアで使いたいと考える人も多いのではないでしょうか。

気に入った温泉水をそのままスキンケアに使うことが可能ですが、毎日のスキンケアで使う場合は注意しておきたいポイントがあります。

 

温泉は日持ちしないので注意が必要

温泉は日持ちしないので注意が必要


温泉水が肌に良いからといって、温泉をそのまま長期保存して化粧水代わりに使うのは避けましょう。最大でも3日以内に使い切った方が良いです。


化粧品に配合されている温泉水は、長期保存が可能な成分が一緒に配合されているため、常温でも長く保存して使用することができます。

しかし温泉水そのものは品質を維持するための成分は含まれていない上、水分が多いので腐りやすく注意が必要です。


さらに温泉水の泉質によっては、肌に長時間付着すると肌刺激になるケースもあります。

スキンケアに温泉水をそのまま使う場合は、長時間肌につけても刺激がないかパッチテストをしておくと良いでしょう。

 

温泉に浸かった後もスキンケアをした方が良い?

温泉に浸かった後もスキンケアをした方が良い?


温泉に浸かった後の肌は何もつけなくてもツルすべで気持ちが良く、「何もせずにこのまま過ごしたい」と思う人も多いです。

しかしお風呂上がりの肌に何もつけずに過ごしていると、肌の潤いがどんどん蒸発しせっかくのツルすべ肌も時間が経つと乾燥が目立ってしまいます。

 

お風呂上がりの肌は乾燥しやすいので保湿が大切

お風呂上がりの肌は乾燥しやすいので保湿が大切


温泉から上がった後の肌も、普段と同様に保湿ケアで肌の潤いを保つことが大切です。入浴中は発汗しやすいため、体内や皮膚の水分が蒸発し時間が経つほど乾燥しやすい状態になっています。


温泉水には豊富なミネラルが含まれていますが、潤いを長く維持してくれる油溶性の保湿成分は含まれていません。潤いのあるツルすべ肌をキープするためにも、入浴後は化粧水や美容液で肌に潤いを与えて、乳液・保湿クリームの油分を含む保湿アイテムで潤いを逃がさないようにお手入れをしましょう。

 

温泉の美肌パワーでキメの整った潤いのある肌に

温泉水は豊富なミネラルが含まれている上、泉質によっては古い角質や皮膚をやわらかくして余分な皮脂を洗い落ちやすい状態に整えてくれます。温泉に毎日通うのは大変ですが、飲料用の温泉水や温泉水を配合した化粧品で美肌パワーを手軽に取り入れることも可能です。


旅行先で温泉を楽しむだけでなく、美肌パワーに優れた温泉水を自宅でも取り入れながら、キメの整った潤いのある肌を目指してみてはいかがでしょうか。


監修者:東京大学 薬学博士 杜 垚

監修者

薬学博士・杜 垚

東京大学農学部を首席の成績で卒業、同年東京大学農学部長賞を受賞。
東京大学大学院薬学系研究科で分子薬学博士号を取得。
大手化粧品会社にてスキンケア、ヘアケア、クレンジングの研究開発や成分配合に長年従事。
2020年株式会社Merry Plusを設立、代表取締役に就任。

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