【薬学博士監修】産後の肌がザラザラするのはなぜ?美肌ケアの方法をご紹介
出産後は体調が整いにくい中で忙しい毎日を送っている人が多く、スキンケアをしていても、「出産前よりも肌荒れが目立つようになった」と感じてしまう人もいます。
今回は産後に肌がザラつきやすい理由と、原因についてまとめました。
産後におすすめのスキンケア方法を合わせてご紹介しているので、産後の肌のお手入れにお悩みの人もぜひ参考にしてみてください。
目次
- 産後は肌がザラザラする…その理由とは
- 肌のバリア機能が低下している
- ストレスが溜まっている
- ホルモンバランスが乱れている
- 肌に適したスキンケアができていない
- 産後のザラザラ肌を美肌にしたい!美肌ケアの方法を紹介
- 肌をゴシゴシ擦らない
- 古い角質を洗い流す
- 肌刺激の少ないスキンケアアイテムを使う
- セラミドやヒアルロン酸など保湿成分を意識する
- 忙しい時はオールインワンタイプで保湿ケアを行う
- 産後の肌ケアは生活習慣の見直しもおすすめ
- 小まめな水分補給で体の内側からも潤いケアを
- 鉄分・ビタミン類など栄養が整った食事を摂る
- 適度なストレッチで便秘を予防しよう
産後は肌がザラザラする…その理由とは
出産前と後では、肌のコンディションに違いを感じる人が多いです。なぜ産後になると肌がザラザラしてしまうのか、肌荒れが目立つ理由について詳しく見ていきましょう。
肌のバリア機能が低下している
産後の肌は肌に必要な潤いや栄養が不足しやすく、肌のバリア機能が低下しやすい状態です。
肌のバリア機能が低下すると皮膚に潤いを保つ力が弱まり、肌がカサつきます。肌の潤いが不足し皮膚が乾燥すると、外からの刺激から肌を守ろうと皮脂分泌が活発になり、毛穴に皮脂汚れが溜まることで皮膚表面にザラつきが目立つようになります。
ストレスが溜まっている
産後は出産時から体調が思うように回復し切っていない状態で、赤ちゃんの世話を行う人が多いため、慣れない育児と体力の低下でストレスが溜まりやすくなります。
環境によるストレスによって、肌荒れや皮膚のザラつきが目立ちやすくなることも多いです。
ストレスを溜めすぎないように適度に睡眠をとったり、好きな物を食べたりしながら小まめに体と心に休息をとりいれてみてください。
肌荒れだけでなく、ストレスを溜め込まないことで産後の体調が整いやすくなります。
ホルモンバランスが乱れている
妊娠中は女性ホルモンが優位になっていますが、産後は優位だった女性ホルモンが低下し、ホルモンバランスが乱れやすくなります。
ホルモンバランスが乱れると生理前のように皮脂分泌が活発になって肌がベタついたり、古い角質が溜まったりすることで肌のザラつきが目立つようになります。
過剰な皮脂分泌は肌のザラつき以外にも、ニキビ・角栓の原因となるため、定期的な角質ケアで肌の状態を清潔に保つことがおすすめです。
肌に適したスキンケアができていない
産後は自分よりも赤ちゃんのお世話に忙しく、出産前のようにスキンケアに時間をかけていられない人も多いのではないでしょうか。十分な保湿ケアができていないと皮膚が乾燥してしまい、肌のバリア機能が低下する場合があります。
保湿だけでなく、メイクの濃さや耐久性に合ったクレンジングや洗顔をすることも大切です。皮膚にメイクの成分や、汚れがついたまま長時間過ごしていると肌がザラつきやすくなるので、洗い落とすスキンケアと保湿ケアの両方のお手入れを意識してみてください。
産後のザラザラ肌を美肌にしたい!美肌ケアの方法を紹介
産後の肌がザラつきやすくなる理由をご紹介しましたが、どんな時でも美肌を保ちたいと思う人は多いのではないでしょうか。
肌のお手入れにかける十分な時間がとりにくい産後でも、ちょっとしたスキンケアの工夫とお手入れのポイントを意識すれば産後も美肌を目指すことができます。
産後の肌におすすめしたい肌のお手入れのポイントをご紹介します。
肌をゴシゴシ擦らない
汚れをすぐに落としたい時は、クレンジングや洗顔料で皮膚をゴシゴシ擦っていませんか?皮膚を強く擦ると肌のバリア機能が低下して、肌本来の保水力が減少し保湿しても肌が乾燥しやすくなってしまいます。
濃いメイクや耐久性に優れた日焼け止めを洗い落とす時は、メイクを浮かせて洗い落としやすくするオイルやジェル・バームタイプのクレンジングがおすすめです。軽い力でメイクとなじませるだけで、すっきりと洗い流してくれます。
洗顔料はよく泡立てて泡で皮膚の汚れを洗うように、たっぷりの泡で手早くぬるま湯で汚れを洗い流すのがおすすめです。
洗顔後の肌をタオルで拭く時も擦らないように、ポンポンと皮膚の水分を吸い取るようにタオルで軽く肌を叩くように拭きましょう。
古い角質を洗い流す
産後はホルモンバランスが乱れやすく、皮膚に古い角質が溜まりやすくなります。タンパクを分解する力に優れた酵素や、植物由来の成分の「AHA」が配合された洗顔料を使い、定期的に角質ケアを行いましょう。
酵素やAHAは毎日使うと肌に負担がかかりやすいので、週に1~2回程度のお手入れがおすすめです。お手入れ前にホットタオルで皮膚を温めてやわらかくしておくと、古い角質や汚れが落ちやすくなります。
肌のザラザラだけでなく、角栓や毛穴のつまりが気になる場合はスクラブやゴマージュを配合したクレンジングや洗顔料で汚れをすっきり洗い流すのも良いでしょう。
スクラブやゴマージュも肌負担が大きいので、毎日使うのは避けて気になる時のスペシャルケアとして取り入れるのがポイントです。
肌刺激の少ないスキンケアアイテムを使う
産後の肌は肌のバリア機能が低下することで、出産前よりも肌刺激に敏感になっている場合があります。
使い慣れたスキンケアアイテムでも、肌がピリピリと刺激を感じる場合もあるので注意しましょう。
低刺激性のスキンケアアイテムで肌を整えたり、スキンケアの中でも肌に負担のかかりやすいクレンジングや洗顔料を洗浄力がマイルドなものに変えたりしてみましょう。
セラミドやヒアルロン酸など保湿成分を意識する
肌のバリア機能を整えるには、スキンケアに配合されている成分もポイントです。
セラミド・アミノ酸・ペプチドは、肌のバリア機能を整えて潤いを保ってくれる保湿力に優れています。
さらにヒアルロン酸・コラーゲン・リピジュア®は潤いを与えて抱え込む性質をもっているので、肌のバリア機能を整えてくれる成分と相性が良く、乾燥しがちな肌の保湿力を補ってくれます。
普段使っているスキンケアにはどのような成分が配合されているかチェックし、保湿力に優れた成分が配合されているアイテムをプラスしてみると良いでしょう。
忙しい時はオールインワンタイプで保湿ケアを行う
産後はスキンケアにかける時間が少なく、化粧水や美容液・乳液をじっくりと肌になじませている暇がないという人も多いのではないでしょうか。
特に忙しい朝はメイクや日焼け止めを塗る手間もかかるので、スキンケアは手早く肌につけるだけで精一杯になりがちです。
時間がない時はオールインワンタイプのスキンケアアイテムで、時短でのお手入れをしてみましょう。オールインワンタイプには様々な種類があり、目的に合わせて色々な用途を兼ねたお手入れができます。
- クレンジングと洗顔を兼ねたW洗顔のいらないタイプ
- 化粧水・美容液・フェイスパックを兼ねたタイプ
- 化粧水から乳液まで兼ねた保湿タイプ
- 日焼け止め・化粧下地・ファンデーションを兼ねたメイクタイプ…など
オールインワンタイプのスキンケアアイテムは、それぞれの良いところを少しずつ兼ね合わせたものです。
保湿力が足りない時は化粧水や美容液を先につけたり、お悩みをしっかりカバーしたい時はコンシーラーを使ったりして自分が使いやすいようにアイテムをプラスするのもおすすめです。
産後の肌ケアは生活習慣の見直しもおすすめ
産後は忙しくつい生活習慣が乱れてしまいがちです。生活習慣が乱れてしまうと、肌荒れや肌のザラザラが余計に目立ってしまうことがあります。
忙しく慣れない赤ちゃんのお世話をする中でも、生活習慣を少しずつ整えてみませんか。
小まめな水分補給で体の内側からも潤いケアを
産後は授乳や、不規則な生活リズムで過ごしやすいため、水分補給が思うように取れていない人が多いです。
小まめに水分を摂って、体内からも肌に潤いを与えてあげましょう。
鉄分・ビタミン類など栄養が整った食事を摂る
産後は母乳に栄養が必要となるため、妊娠前よりも鉄分やビタミン類などが不足しがちになります。
特に鉄分が不足してしまうと肌に必要な栄養や酸素が行き渡りにくくなり、皮膚がカサつきやすくなるので注意が必要です。
鉄分が豊富なレバーやプルーン、赤身の肉や魚を毎日の食事で積極的に取り入れてみてください。苦手な食材の場合は、サプリや栄養補助ドリンクなど自分が栄養を摂りやすい形で栄養を補うのも1つの手段です。
適度なストレッチで便秘を予防しよう
産後は赤ちゃんのお世話につきっきりなりやすく、体調もくずれやすいため「思うように運動ができない」とお悩みの人も多いのではないでしょうか。
室内でも気軽に行いやすいストレッチや、ヨガ・ピラティスなどを行い、全身の筋肉を動かして腸内環境を整えるのがおすすめです。
運動が面倒な時は足の裏を刺激したり、お腹周りをセルフマッサージしたりして腸に適度な刺激を与えてみるのもポイントです。腸内環境が整うと肌に必要な栄養が小腸で吸収されやすくなり、肌が体内から整いやすくなります。
便秘に悩みやすい人も室内でもできる軽いストレッチや、ヨガなどで体調を整えてみましょう。
ザラつきやすい産後の肌は時間をかけて美肌へ整えましょう
産後は肌のバリア機能が低下したり、ホルモンバランスの乱れから古い角質が溜まりやすくなったりと、肌がザラザラしやすい状態です。
今回ご紹介した産後の肌のお手入れや、生活習慣のポイントを参考にしながら、肌の状態を整えてみませんか。忙しい毎日の中でも少しずつ行いやすいスキンケアをとりいれて、出産前のような美肌を目指していきましょう。
監修者
薬学博士・杜 垚
東京大学農学部を首席の成績で卒業、同年東京大学農学部長賞を受賞。
東京大学大学院薬学系研究科で分子薬学博士号を取得。
大手化粧品会社にてスキンケア、ヘアケア、クレンジングの研究開発や成分配合に長年従事。
2020年株式会社Merry Plusを設立、代表取締役に就任。
- 選択結果を選ぶと、ページが全面的に更新されます。
- スペースキーを押してから矢印キーを押して選択します。