【薬学博士監修】表情筋の鍛えすぎは注意が必要!適した顔のストレッチ方法とは

肌のたるみが気になり、顔のストレッチやセルフマッサージをしている人もいるのではないでしょうか。年齢を重ねると若い頃と比べて顔全体のたるみや、口周りのほうれい線が目立ちやすくなります。

しかし顔の筋肉を鍛えすぎや、ストレッチのし過ぎは注意が必要です。

今回は表情筋を鍛えすぎると良くない理由について、詳しくご紹介します。

顔の引き締めにおすすめの表情筋のストレッチも合わせてご紹介するので、年齢肌に悩んでいる人もチェックしてみてください。

 

目次

  • 表情筋とは
    • おでこの「前頭筋」
    • 目の周りの「眼輪筋」
    • 眉間周りの「しゅう眉筋」
    • 笑顔に欠かせない「頬筋」
    • 口周りの「口輪筋」

 

表情筋を鍛えすぎるのは良くない?

表情筋を鍛えすぎるのは良くない?


年齢を重ねて顔のたるみが目立ってくると、「顔を引き締めたい」と表情筋のストレッチをしている人も多いのではないでしょうか。

しかし表情筋は鍛えすぎると、顔のたるみやシワなどお悩みを強調してしまう可能性があるので注意が必要です。

 


口周りのほうれい線が目立ちやすくなる

口周りのほうれい線が目立ちやすくなる


口周りに目立ちやすいほうれい線は、表情筋を鍛えすぎると目立ちやすいお悩みの1つです。食べ物を咀嚼したり、会話をしたりと口周りの筋肉は毎日何かと使うことが多いため、間違った方法で鍛えすぎると皮膚が収縮しほうれい線が目立つ可能性があります。


肌のたるんで見えることも

肌のたるんで見えることも


皮膚のたるみは筋肉を鍛えることで、肌が引き締まり目立たなくすることができます。

しかし顔の筋肉は体よりも小さく薄い部分が多いため、ストレッチで鍛えすぎると必要以上に負荷がかかってしまい、たるみを余計に目立たせてしまうことも多いです。


体の筋肉のように大きい筋肉は負荷をかけて鍛えることで引き締まりますが、顔の細かい筋肉の場合は毎日顔が疲れるほど負荷を強くかけて鍛えすぎないことも大事です。

 

表情筋とは

表情筋とは


「表情筋」とは顔の喜怒哀楽の表情を作る時に動きやすい筋肉のことで、顔の皮膚と繋がっているためとても細かい動きができます。

体の筋肉のように大きな動作に使われるというよりも、細かい動きを1日に何十回も繰り返す時に使うため、鍛えすぎると必要以上に負荷がかかってしまいます。


また「表情筋」は総称で、顔の筋肉はパーツ毎に細かく分かれています。顔のたるみやほうれい線などで目立ちやすい表情筋の種類を詳しく見ていきましょう。

 

おでこの「前頭筋」

おでこの「前頭筋」


おでこには骨に皮膚が直接張りついているわけではなく、薄い筋肉である「前頭筋」と呼ばれる筋肉があります。おでこにシワが寄るのは前頭筋が収縮することで、皮膚が伸びたり縮んだりするからです。


前頭筋が衰えるとおでこの横ジワが目立ちやすくなり、おでこ全体が下にたるみやすくなります。

 

目の周りの「眼輪筋」

目の周りの「眼輪筋」


瞬きなどまぶたを動かす時に使うのが、目の周りを一周するようについている「眼輪筋」という筋肉です。眼輪筋が衰えるとまぶたがたるみやすくなり、目の下のクマが目立ちます。


眼輪筋は同じものを見続けている時にも使われる筋肉で、スマホやパソコンなどで酷使しやすい筋肉です。


目の周りは顔の中でも皮膚がとても薄い部分のため、鍛えすぎると目尻に細かなシワが目立ってしまう可能性があります。

 

眉間周りの「皺眉筋(しゅうびきん)」

眉間周りの「皺眉筋(しゅうびきん)」


目の周りには眼輪筋以外にも、細かい筋肉がいくつもついています。その中でも眉間にシワを寄せたり、伸ばしたりする時に使われるのが「皺眉筋(しゅうびきん)」です。


目の周りの筋肉やおでこのシワを意識して皺眉筋を鍛えすぎると、眉間にくっきりとした縦ジワが目立ってしまうことがあります。皺眉筋は眉頭を寄せるぐらいのとても小さい筋肉なので、強い負荷をかけて鍛えるのは避けた方が良いでしょう。

 


笑顔に欠かせない「頬筋」

笑顔に欠かせない「頬筋」


頬を上げてにっこりとした笑顔に見せてくれるのが「頬筋」です。口角をグッと外側にもち上げる働きをもっているので、笑い過ぎた時に痛いと感じたことがある人もいるでしょう。

頬筋がたるむと口角が下がりやすくなり、実年齢よりも老けたような印象に見えてしまいます。


しかし頬筋を鍛えすぎると、口周りに八の字で目立ちやすいほうれい線が目立ちやすくなるので注意が必要です。


口周りの「口輪筋」

口周りの「口輪筋」


口輪筋は文字通り口周りをグルッと輪のように囲んでいる筋肉で、口を尖らせたり、横に広げたり、口周りの細かい動きで表情を作ります。


口輪筋が衰えると鼻の下から上唇までの皮膚に小ジワが目立ち、頬全体が下にたるんだような印象に見えます。


頬筋と同じく口角を上向きに動かす時にも使われる筋肉のため、鍛えすぎるとほうれい線がくっきりと目立ちやすくなるので注意しましょう。

 


顔の引き締めに適した表情筋のストレッチを紹介

顔の引き締めに適した表情筋のストレッチを紹介


表情筋を鍛えすぎずに顔を引き締めたい時には、どのような動きのストレッチをすればよいのでしょうか。

顔のたるみが気になる時におすすめしたい、簡単なストレッチをご紹介します。

 

笑顔を作った後に顔の力を抜く

笑顔を作った後に顔の力を抜く


まず顔全体で思いっきり笑顔を作り、5秒間キープします。

次に顔の筋肉に入れていた力を思いっきり緩めて、口が半開きで気の抜けた表情で5秒間キープしましょう。

最後に口を閉じて自然な表情に戻し、5秒間キープします。この動きを1回3セット行うのがポイントです。


ギュッと思いっきり力を入れた後に、力を抜くと筋肉の収縮がスムーズに行われて、必要以上の負荷がかかりにくくなります。笑顔を作る時は顔に力をしっかり入れて、緩める時は思いっきり力を抜くのが大切です。


舌を思いっきり伸ばす

舌を思いっきり伸ばす


口周りの表情筋を鍛えたい時におすすめなのが、舌を使ったストレッチです。


まずベーッと舌を出し、思いっきり伸ばしましょう。

次に「えー」と声を出しながら、5秒間キープします。

最後に口を閉じながら口角だけを上げるように意識して、5秒間キープします。一連の動きを3セット繰り返して行ってみてください。


舌を使うことで口周りの筋肉を無理やり大きく動かさずに、適切な負荷がかかりやすくなります。声を出しながら行うと、慣れない動きでも舌が伸ばしやすくなるのでおすすめです。

 


表情筋を鍛えすぎないポイント

表情筋を鍛えすぎないポイント


表情筋の簡単なストレッチをご紹介しましたが、顔の筋肉の鍛えすぎを防ぐには大事なポイントがあります。上手くストレッチで顔を引き締めるためにも、ぜひチェックしてみてください。

 

顔全体の筋肉を意識する

顔全体の筋肉を意識する


顔の筋肉は細かいものが多く、体の大きな筋肉よりも鍛えているのかわかりにくい場合が多いです。

ストレッチを行う時は、自分がどの部分を引き締めたいのか意識しながら行うと良いでしょう。


鏡を見ながらストレッチする

鏡を見ながらストレッチする


顔の筋肉は皮膚に繋がっているため、鏡を見ながら行うと動きがわかりやすくなります。


目的の筋肉ではない部分までストレッチを行ってしまったり、過度に負荷をかけてしまったりするのを防ぐこともできるので、顔全体が見える大きめの鏡を見ながら行うのがおすすめです。

 

回数や頻度を調節する

回数や頻度を調節する


顔の筋肉は体よりも小さく薄いため、頻度が多いと必要以上に負荷がかかり、たるみやシワの原因になる可能性があります。

ストレッチの回数は1種類1回までに留め、毎日の頻度で行うのは避けましょう。


お風呂上がりや、運動後などの皮膚がやわらかくなるタイミングで行うのがおすすめです。

 

 

ほどよい表情筋のストレッチで引き締まった小顔に

顔のたるみが目立つと老けた印象に見られたり、顔の輪郭が大きく見られたりして悩んでしまう人もいるのではないでしょうか。

しかし顔の表情筋のストレッチは鍛えすぎてしまうとたるみが余計に目立つ場合や、シワが目立つ原因になります。


今回ご紹介したストレッチや、ストレッチを行う時のポイントを参考にしながら、適度な表情筋のストレッチで引き締まった小顔やたるみの目立たない肌を目指してみませんか。


監修者:東京大学 薬学博士 杜 垚

監修者

薬学博士・杜 垚

東京大学農学部を首席の成績で卒業、同年東京大学農学部長賞を受賞。
東京大学大学院薬学系研究科で分子薬学博士号を取得。
大手化粧品会社にてスキンケア、ヘアケア、クレンジングの研究開発や成分配合に長年従事。
2020年株式会社Merry Plusを設立、代表取締役に就任。

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