【薬学博士監修】肌のハリを取り戻す方法は?原因からスキンケアのポイントまで徹底紹介
年齢を重ねて「肌にハリがなくなってきた」と感じる人もいるのではないでしょうか。若い頃は肌を触ると跳ね返すような弾力を感じても、肌のハリは年齢とともに減少していきます。
今回は肌のハリが減少する原因について、詳しくまとめました。イキイキとした肌を取り戻すスキンケアのポイントや、生活習慣についてもご紹介するので、年齢肌が気になる人もぜひチェックしてみてください。
目次
- 肌のハリがなくなるのはなぜ?
- 加齢
- 潤い不足
- ターンオーバーの遅れ
- 紫外線による肌へのダメージ
- 顔の筋肉の衰え
- ハリのある美肌を目指すスキンケアのポイント
- 適度な角質ケアで肌をやわらかく保つ
- 肌に合ったUVケアを小まめに行う
- 保湿ケアで肌に潤いを与える
- 表情筋のストレッチを行う
- 肌のハリには生活習慣の見直しも大切
- 質の良い睡眠を確保する
- 適度な運動で汗をかく
- 入浴で体の新陳代謝を整える
- 栄養バランスの整った食生活を意識する
肌のハリがなくなるのはなぜ?
なぜ肌のハリは年齢とともに減少してしまうのでしょうか。肌のハリは老化と深く関係しています。
肌のハリが減少する原因について詳しく見ていきましょう。
加齢
コラーゲンは真皮に存在する潤いと潤いを繋ぎとめる役割をもっている成分で、肌のハリにも欠かせません。
しかし年齢を重ねると体内で作られるコラーゲンやエラスチンを生成する力が弱まり、肌本来の潤いを維持する力も減少していきます。
コラーゲンやエラスチンを生成する力が弱くなると、肌のハリや弾力が減少し、皮膚のたるみやシワが目立つようになります。
潤い不足
肌のハリを保つにはコラーゲンやエラスチンだけでなく、潤いも大変重要です。年齢を重ねると、皮膚のうるおいを保つ物質(皮脂など)が減少することで、水分蒸発による皮膚の乾燥が起こります。
乾燥が進むと皮膚のバリア機能が低下し、肌荒れやひび割れが起こる場合もあります。それによって、皮膚のたるみやシワがより目立ちやすくなります。
ターンオーバーの遅れ
年齢を重ねると、肌の生まれ変わりであるターンオーバーの周期が乱れやすくなります。ターンオーバーが乱れると剥がれ落ちるはずの古い角質が皮膚に溜まりやすくなるため、角質層に厚みが出ます。
古い角質が溜まり厚くなった皮膚はやわらかさが欠けてしまい、ハリが目立ちにくい肌に見えてしまいます。
紫外線による肌へのダメージ
紫外線は角質層にダメージを与えて、肌の潤いやハリを損ないます。
肌にダメージを与えやすい紫外線には「UVA波」と「UVB波」があります。特に長い波長をもつUVA波は角質層の表面より奥にある真皮層まで届きやすいため、肌のハリが減少する原因になりやすいです。
日差しの強い夏場だけなく、UVケアを1年中行って紫外線対策を意識してみましょう。
顔の筋肉の衰え
皮膚や脂肪を支える筋肉は、年齢とともに衰えやすくなります。
大きな筋肉が多い体とは違い、顔は細かく薄い筋肉がいくつも皮膚に直接ついているので、筋肉が衰えると皮膚がたるみ、肌のハリが減少したように見えます。
ハリのある美肌を目指すスキンケアのポイント
年齢を重ねても若い頃のようにハリのあるイキイキとした肌を保つのは難しいのでしょうか。
ハリのある美しい肌を保ち続けるスキンケアのポイントをご紹介します。
適度な角質ケアで肌をやわらかく保つ
年齢とともにターンオーバーの周期が乱れると、肌に古い角質が溜まりやすくなります。溜まった古い角質は定期的に角質ケアを行い、洗い流しやすくするのがおすすめです。
角質ケアは肌負担になりやすいので、週に1〜2回の頻度で普段のスキンケアにとりいれてみましょう。
古い角質の主成分であるタンパクを分解しやすくする酵素などが配合されたクレンジングや洗顔料で、肌をやわらかく整えましょう。
肌に合ったUVケアを小まめに行う
紫外線のダメージは皮膚の表面だけでなく、コラーゲンやエラスチンのある真皮層まで届きます。UV対策は夏場だけでなく、紫外線量の多い夏や肌が乾燥しやすい冬など1年中季節を問わずに行うのがポイントです。
特にUVA波は紫外線の波長が長く、紫外線のダメージが真皮層まで届きやすいので、SPF・とPAの表示のある日焼け止めを選びましょう。
しかしSPF・PA値が高く水や汗に強い耐久性に優れた日焼け止めは、肌に負担がかかりやすくしっかりとクレンジングをしないと肌に成分が残ってしまうので注意が必要です。
肌刺激が気になる時やデスクワークで過ごす場合は、SPF20~30・PA++~+++程度を目安に肌負担が少ないものを選ぶのもポイントです。
一方で屋外の日差しが強い場所で長時間過ごしたり、運動を行ったりする時はSPF40~50+・PA+++~++++の数値の高い日焼け止めでしっかりとUV対策を行いましょう。
夏場は汗で日焼け止めが流れ落ちやすいので、小まめに塗り直すことも大切です。
保湿ケアで肌に潤いを与える
肌のバリア機能が低下すると、潤いを維持する力が減少し肌のハリが衰えやすくなります。
保水力に優れた水溶性の保湿成分だけでなく、水分と油分がバランスよく配合されている保湿乳液やクリームがおすすめです。
肌のゴワつきが気になる時は、皮膚をやわらかく整えてなめらかな状態に導くナイアシンアミドや、ビタミンC・レチノールが一緒に配合されているスキンケアを選んでみるのも良いでしょう。
表情筋のストレッチを行う
顔のたるみが気になる時は、表情筋のストレッチを適度に行ってハリのある引き締まった肌を目指しましょう。
しかし表情筋は鍛えすぎると筋肉が硬くなって強張ったり、肌のハリに偏りが出てしまったりする可能性があります。
鏡を見ながら舌をグーッと伸ばしたり、顔の筋肉で思いっきり笑顔を作った後に脱力し顔の筋肉を緩めたりと、簡単なストレッチを週に数回繰り返して少しずつ鍛えてみましょう。
肌のハリには生活習慣の見直しも大切
長く肌のハリを保つには、スキンケアだけでなく生活習慣の見直しも大切です。
普段何気なく行っている習慣が肌のハリの衰えに繋がっていないかチェックしながら、生活習慣をぜひ見直してみてください。
質の良い睡眠を確保する
夜更かしや極端に少ない睡眠を繰り返していると、肌の新陳代謝を整えてくれる成長ホルモンの分泌が減少し、肌のハリが保ちにくくなります。
深い睡眠を3時間以上とったり、夜は日付が変わる前に就寝したりと質の良い睡眠をとるように心がけましょう。深い睡眠状態になると成長ホルモンの分泌が活発になり、肌のコンディションが整いやすくなります。
眠りが浅く、なかなか深い睡眠をとれない人は、就寝時間の30分前からスマホやパソコンの画面を見ないようにしたり、夜はやわらかい光の間接照明で過ごしたりと眠りやすい環境を作ってみましょう。
適度な運動で汗をかく
血流が滞ると肌の維持に必要な酸素や栄養が行き渡りにくくなり、ターンオーバーの周期が遅れがちになります。
汗をほどよくかいて、体全体の血流を良くする運動を週に2~3回を目安に行うのがおすすめです。
ランニングや本格的なジムトレーニングだけでなく、軽く汗をかく程度の20分間のウォーキングや室内でも行いやすいヨガなど、自分のペースに合わせた運動で気持ち良く汗をかきましょう。
入浴で体の新陳代謝を整える
入浴はお湯に浸かるだけで、体全体の血行を良くして皮膚をやわらかく整えてくれます。肌がやわらかくなると古い角質が洗い落ちやすくなるので、皮膚のゴワつきが気になる時や化粧水や美容液などスキンケアの浸透を良くしたい時にもおすすめです。
お湯を溜めるのが面倒でシャワーが習慣になっている人も、週に数回は湯船に浸かって体の芯から温まり、全身の血行を意識してみましょう。
栄養バランスの整った食生活を意識する
肌のハリに欠かせないコラーゲンは、タンパク質をもとに体内で生成されます。忙しいとパンやご飯などの炭水化物がメインになりがちですが、肉や魚・大豆製品などのタンパク質を食生活に意識して摂りいれてみましょう。
さらに体内のコラーゲンの生成には、ビタミンCなど他の栄養素も必要です。タンパク質だけでなく、ビタミン類を豊富に含む果物や野菜も一緒にバランスの良い食事で効率良く栄養素を摂取しましょう。
スキンケアと生活習慣の見直しで肌のハリを取り戻す習慣を身につけよう
年齢を重ねるとともに肌のハリは減少しやすくなるため、顔のたるみや肌のシワが目立つようになります。たるみやシワが目立つと実年齢よりも老けた印象に見られたり、疲れて見えてしまったりと悩んでしまう人も少なくありません。
しかし肌のハリは紫外線のダメージや表情筋の衰え・ターンオーバーの乱れなど、加齢以外にも様々な原因があります。
今回ご紹介したスキンケアのポイントや、生活習慣を意識しながら自分に合う習慣を身につけて、ハリのある肌を長くキープしていきましょう。

監修者
薬学博士・杜 垚
東京大学農学部を首席の成績で卒業、同年東京大学農学部長賞を受賞。
東京大学大学院薬学系研究科で分子薬学博士号を取得。
大手化粧品会社にてスキンケア、ヘアケア、クレンジングの研究開発や成分配合に長年従事。
2020年株式会社Merry Plusを設立、代表取締役に就任。
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