【薬学博士監修】今話題のcicaとはどんな成分?作用とおすすめポイントをご紹介
美容大国・韓国からブームに火が付いた成分と聞くと、何となく試してみたくなりませんか?今回ご紹介するcicaは、韓国コスメに配合されている成分として人気が高まり、日本でもこの成分を配合した化粧品が数多く登場してきています。こちらの記事では、cicaの特徴や肌に与える作用、cicaのおすすめポイントをご紹介しています。
目次
- cicaの含有成分と肌に与える作用
- バリア機能の強化
- ターンオーバー周期の正常化
- 抗炎症作用によるメラニン生成の抑制
- cicaのおすすめポイントをご紹介
- 肌が敏感なときでも使いやすい
- エイジングケアにも◎
- cica配合化粧品の注意点
- cica由来成分の配合量に注意
今話題のcicaとは?
cicaとは、ツボクサという植物の葉や茎から抽出される化粧品の原材料成分で、日本の化粧品に配合する場合では、「ツボクサエキス」と表記されます。
ツボクサはアジアやアフリカ、パキスタンなどを原産国とする植物で、韓国に限らず、日本やフランス、インドなどでも古くから民間療法に用いられてきました。
なお、cicaの語源は英語で創傷を意味する「cicatrix」や、ラテン語由来のスペイン語で傷や傷跡を意味する「cicatriz」とされています。
cicaは古くから傷を治癒するための成分として珍重されてきたといわれ、特にインドのアーユルヴェーダでは広く活用されてきました。
また、野生の虎がcicaに体をこすりつけて傷を治癒したという言い伝えが残っていることから、別名「タイガーハーブ」と呼ばれることもあるようです。
cicaの含有成分と肌に与える作用
cicaというのはツボクサの葉や茎などを原材料とする化粧品成分の総称で、cicaという名称の成分が存在しているわけではありません。
実は、cicaには「マデカッソ酸(マデカシン酸)「アジア酸(アシアチン酸)「マデカッソシド」「アジアチコシド」といった4つをはじめとする成分が含まれており、とりわけマデカッソシドは、cicaに最も多く含まれています、
それでは、これら4種類が肌もたらす作用について、具体的にご紹介していきましょう。
バリア機能の強化
私たちの肌は、紫外線やほこり、有害物質などにさらされており、これらの物質が細胞間から内部に侵入してくると、肌は過敏に反応して炎症を起こすことがあります。
そして、そのようなトラブルを防ぐ目的で肌に備わっているのがバリア機能です。
ところが、紫外線による刺激や過剰な洗顔、保湿不足などで表皮がダメージを受けると、バリア機能を形成している成分のひとつである細胞間脂質が不足して、バリア機能自体が低下することになるのです。
そこで役立つのが、cicaによるスキンケアです。
cicaに含まれているマデカッソシドにはバリア機能の低下を防ぐ働きがあるとされているため、cicaを使用したスキンケアを毎日コツコツと続けることがバリア機能の修復につながるでしょう。
ターンオーバー周期の正常化
cicaにはターンオーバー周期の正常化作用もあるといわれています。
理想的なターンオーバー周期はおよそ1カ月とされ、その周期が規則正しく繰り返されていれば、古くなった角質がスムーズに取り除かれていくことになります。
そしてその結果、肌のコンディションが整い、ごわつきなどのトラブルが起こりにくくなるのです。
ところが、ターンオーバー周期は加齢をはじめ、さまざまな原因によって周期が乱れやすく、油断していると、周期が長くなったり短くなったりと不安定な状態になってしまうことがあります。
そして、その状態の改善に役立つのがcicaなのです。
抗炎症作用によるメラニン生成の抑制
cicaに含まれるアジアシコシドには抗炎症作用があり、メラニンが生成されるきっかけとなる炎症を抑え、メラニンによる色素沈着を防ぐことができるといわれています。
メラニンはシミの元になる厄介な物質で、メラニンを生成するメラノサイトという細胞によって生成されます。
しかし、メラニンが生成される前の段階である炎症を抑えることができれば、メラニンが生成される確率は低くなるでしょう。
ただし、cica配合の化粧品を使用していたとしても、無防備な状態で紫外線を浴び続けてしまえば、メラノサイトが活性化されてメラニンが生成されることになります。
紫外線によるメラニン生成を避けて通りたいのなら、cica配合の化粧品の使用とともに、ご自身で紫外線対策を行うことも大切です。
cicaのおすすめポイントをご紹介
cicaには、バリア機能の強化をはじめとするいくつもの作用があることがわかりました。
それでは、cicaのおすすめポイントについてまとめてみることにしましょう。
肌が敏感なときでも使いやすい
肌のコンディションは、紫外線などの外部から与えられる刺激や、体の内部で起こっている問題などによって常に変動します。
そしてコンディションが崩れた場合では、ちょっとした刺激に肌が過敏に反応して炎症が起こることもありますが、抗炎症作用があるcicaであれば、肌が敏感なときでも使いやすいという特徴があります。
化粧品成分にはあらゆる種類があり、肌が敏感な状態に傾いているときには注意が必要な種類もあります。
たとえば、美白成分の代表選手として挙げられるのはビタミンC誘導体ですが、この成分は肌への刺激が少々強いという特徴があります。
もちろん、ビタミンC誘導体はすべての肌質に対して刺激を与えるものではありませんが、敏感な状態に傾いている肌に使用すると、ひりひりする、ツッパリ感があるなどのトラブルが起こる可能性があるのです。
一方cicaは、あらゆる試験の結果、肌への刺激が弱い成分であるといわれています。
つまり、肌が敏感なときでも使いやすいというメリットがあるということですね。
エイジングケアにも◎
cicaには年齢を重ねた肌にうるおいを与える作用がありますので、エイジングケア対策としてもおすすめです。
なお、cicaにはコラーゲンの生成作用や繊維芽細胞生成の促進作用がるあるとされていますので、そういった点で考えても、エイジング対策としておすすめの成分だといえそうです。
ただし、コラーゲンや繊維芽細胞の生成には、タンパク質やビタミンなどの栄養素が必要です。
つまり、cicaをエイジングケア対策に役立てたいのなら、タンパク質やビタミンをはじめとする栄養素を食事からしっかり摂ることも大切だということです。
cica配合化粧品の注意点
cicaが注目を集めている現在、cica配合の化粧品が数多く登場してきています。
しかし、cica配合の化粧品の中には、少々注意が必要な種類もあるのです。
cica由来成分の配合量に注意
cica配合化粧品を選ぶ際には、cica成分の配合量に着目してください。
日本製のcica配合化粧品の場合では、ツボクサエキスと表記されますので、まずはこの成分が何番目に表記されているかを確認しましょう。
というのは、化粧品成分は配合量が多い順番に記載されているため、ツボクサエキスが上位に記載されている商品を選ぶことが大切だからです。
ツボクサエキスの表記が下位にある商品では、肝心の成分の配合量が少なすぎる可能性がありますので、十分に注意する必要があります。
まとめ
今回は、cicaの特徴や肌に与える作用、cicaのおすすめポイントをご紹介してきました。cicaには、抗炎症作用をはじめとする複数の作用があり、肌が敏感な状態に傾いているときでも使えるというメリットがあります。
また、バリア機能の修復やターンオーバーの正常化にも役立つといわれていますので、加齢によって弱ってきたバリア機能の修復やターンオーバーの正常化を図りたい方にもおすすめです。
なお、cica配合の化粧品にはあらゆる種類がありますが、商品を選ぶ際にはcica成分の配合量に着目してください。
cica成分の配合量が少ない商品を選んでしまうと、思うような結果を得られない可能性がありますので、十分に注意してくださいね。
監修者
薬学博士・杜 垚
東京大学農学部を首席の成績で卒業、同年東京大学農学部長賞を受賞。
東京大学大学院薬学系研究科で分子薬学博士号を取得。
大手化粧品会社にてスキンケア、ヘアケア、クレンジングの研究開発や成分配合に長年従事。
2020年株式会社Merry Plusを設立、代表取締役に就任。
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