【薬学博士監修】頭皮ケアにクレンジングオイルは使える?皮脂汚れをすっきりさせる頭皮クレンジングのやり方をご紹介

髪を美しく保つためには頭皮のケアも欠かせません。しかし「頭皮ケアをどうやってすればいいのか」「美容院に行くのは面倒」とお悩みの人もいるのではないでしょうか。

今回は、身近なクレンジングオイルで頭皮ケアは可能かどうかを詳しくまとめました。

頭皮クレンジングのやり方や、皮膚が敏感な時にも使いやすいおすすめのオイルの種類もご紹介しているので、ヘアケアの参考にしてみてください。

 

目次

  • 頭皮クレンジングとは
    • クレンジングオイルで頭皮ケアは可能?
    • 頭皮がデリケートな時は石油系界面活性剤配合のものは避ける
  • オイルを使った頭皮クレンジングのやり方
    • 1. ブラッシングで髪をほぐしておく
    • 2. 乾いた状態の頭皮にオイルをなじませる
    • 3. 頭皮をもみほぐすようにセルフマッサージをする
    • 4. ぬるま湯で頭皮のオイルをよく濯ぐ
    • 5. シャンプーで頭皮と髪の毛を洗う
    • 6. トリートメントもしくはコンディショナーを行う
    • 7. ドライヤーで頭皮をよく乾かす

 

 

頭皮クレンジングとは

頭皮クレンジングとは

頭皮クレンジングとは、すこやかな頭皮を保つスペシャルケアのことです。通常のシャンプーとは異なり汚れを洗い流すだけでなく、頭皮をやわらかくもみほぐすことで血行を良くしたり、コシやツヤのある髪に整えたりすることができます。


特別なケアといっても、頭皮クレンジングはお手入れに適したオイルさえあればOKです。

頭皮は顔と同じく皮脂腺が多いため、オイルを使用することで皮脂汚れを洗い落ちやすくなります。


クレンジングオイルで頭皮ケアは可能?

クレンジングオイルで頭皮ケアは可能?


汚れを洗い流すオイルというと、クレンジングオイルをイメージされる人もいるのではないでしょうか。クレンジングオイルは油分の成分を多く含むメイクをすっきりと洗い流してくれる洗浄力の高いクレンジングです。

頭皮ケアにクレンジングオイルを使うと、頭皮の汚れもさっぱりと落としやすく油分のベタつきを濯ぐことができます。

 

頭皮がデリケートな時は石油系界面活性剤配合のものは避ける

頭皮がデリケートな時は石油系界面活性剤配合のものは避ける


クレンジングオイルは保湿成分も一緒に配合されているものもありますが、油分の汚れをクレンジングオイルで浮かせ、加えた水分ですっきりと洗い流しやすくするために界面活性剤が多く配合されています。


石油系界面活性剤は油分の洗浄力に優れている分、頭皮の保湿に必要な皮脂まで一緒に洗い流してしまう可能性があります。

 

特に頭皮がデリケートになっている時は刺激に敏感で皮膚が乾燥しやすい状態のため、石油系界面活性剤を配合したクレンジングオイルでの頭皮ケアは避けましょう。

頭皮が乾燥するとフケが溜まりやすくなり、かゆみを伴う場合があります。


 

クレンジングオイル以外で頭皮ケアに向いているオイルの種類

クレンジングオイル以外で頭皮ケアに向いているオイルの種類


クレンジングオイルがない時は、スキンケア向けの純度が高い美容オイルで頭皮ケアをすることもできます。特に100%天然由来のオイルを使用すると、頭皮の皮脂汚れだけでなく保湿ケアも兼ねたお手入れができます。

頭皮の乾燥が気になるときや、皮膚がデリケートになっている時はスキンケア向けのオイルで頭皮をやわらかく整えながらクレンジングしてみましょう。

頭皮クレンジングにおすすめのオイルの種類と、特徴をご紹介していきます。

 

ホホバオイル

ホホバオイル


ホホバオイルとは、メキシコ原産の「ホホバ」の種子から摂れる油分です。特に主成分である「ワックスエステル」は皮脂と近い構造の成分で、肌になじみやすく保湿力に優れています。

さらにオイルの種類の中でも、酸化しにくいという特徴もあります。


未精製のホホバオイルは黄みがかった色でわずかにオイル特有の臭いがありますが、精製済みのものは透明でほぼ無臭です。

 

オリーブオイル

オリーブオイル


オリーブの果実から摂れる油分のことで、サラッとした軽いつけ心地のオイルです。栄養価が高く、成分の70%前後にオレイン酸が含まれています。

オレイン酸は皮脂とよく似た特徴があり、ホホバオイルと同様に肌になじみやすく 、頭皮の皮脂汚れを浮かせて落ちやすくしてくれます。


さらにスクワレンも含まれているため、ゴワつきやすい頭皮をやわらかくし乾燥しにくい状態に整えてくれます。


椿オイル(カメリアオイル)

椿オイル(カメリアオイル)


椿オイルは椿の種から抽出した油分のことで、日本では古くから整髪料として親しまれてきました。オリーブオイルよりも多くオレイン酸を含み、肌のバリア機能を整えて皮膚のハリとうるおいを長く保ってくれます。

 

馬油(バーユ)

馬油(バーユ)


馬油は馬の皮下脂肪から抽出した動物由来のオイルです。肌のうるおいを守り、皮膚の水分が蒸発しにくいなめらかな状態を長くキープする保湿力に優れています。


人の皮膚を構成する成分と同じ構造をもった成分が含まれているので、頭皮クレンジングにも肌なじみの良いオイルです。


液体ではなく固形状になっていますが手の体温でスルッとやわらかくなり、とろけるように皮膚になじむので少量ずつ調節して使いやすいのも特徴です。

 

スクワランオイル

スクワランオイル


スクワランオイルはサメの肝油や植物由来のオイルから抽出した「スクワレン」に、水素を加えて精製したオイルのことです。

透明でサラッとした軽いテクスチャーで、オイルの香りもほとんど無臭に近くスキンケアオイルとしても人気があります。


スクワランオイルの原料となる「スクワレン」は人の肌にも含まれている成分なので、皮膚にとてもなじみやすく、カサつきを防いでうるおいのあるなめらかな肌に整えてくれます。


オイルの臭いが気になる人や、スキンケアで純度100%の美容オイルを使ったことがない人も使いやすい、ベタつきの少ないオイルです。

 


オイルを使った頭皮クレンジングのやり方

オイルを使った頭皮クレンジングのやり方


頭皮クレンジングを効果的に行うには、オイルを使ったやり方をチェックすることが大切です。オイルをつけ過ぎたり、適当なやり方で行ったりすると頭皮や髪がベタつく原因になります。オイルの量や順番をマスターして、すこやかな頭皮を目指していきましょう。


1. ブラッシングで髪をほぐしておく

1. ブラッシングで髪をほぐしておく


オイルを頭皮につける前に、髪をよくブラシでとかして絡まっている部分をほぐしておきましょう。髪についた埃や汚れを落とし、絡まった髪を丁寧なブラッシングで軽くほぐしておくとオイルが頭皮になじみやすくなります。

 

2. 乾いた状態の頭皮にオイルをなじませる

2. 乾いた状態の頭皮にオイルをなじませる


オイルをつける時は、頭皮や髪を濡らさずに乾いた状態でなじませます。濡らしてしまうと油分が頭皮になじみにくくなるので、手や頭皮・髪が乾いた状態で行うのがポイントです。


使用するオイルの量は毛量によって異なりますが、100円玉もしくは500円玉1つ分を目安にすると良いでしょう。

一気になじませようとするのではなく、髪の生え際や頭頂部・側面・後頭部に分けて少しずつなじませるとベタつきにくいです。


3. 頭皮をもみほぐすようにセルフマッサージをする

3. 頭皮をもみほぐすようにセルフマッサージをする


オイルを頭皮全体になじませた後は、両手の指の腹部分を使ってこのようにマッサージを行っていきましょう。



  1. おでこの生え際から頭頂部にかけて頭皮をもみこむように動かす
  2. こめかみから側面・後頭部に向かって同じように動かす
  3. 頭頂部から後頭部・うなじに向かって同じように動かす
  4. 手ぐしでおでこの生え際から後頭部まで髪全体をとかす

爪をたてたり、ゴシゴシと擦るようにマッサージしたりすると頭皮が傷つく可能性があるので、頭皮を軽く動かすようにもみこむのがおすすめです。

頭皮を動かすようにセルフマッサージをすると血行が良くなり、頭皮環境も整いやすくなります。


4. ぬるま湯で頭皮のオイルをよく濯ぐ

4. ぬるま湯で頭皮のオイルをよく濯ぐ


頭皮をもみほぐした後は、オイルを洗い流していきます。最初は片手1杯分のぬるま湯を髪や頭皮につけてから、もみこむようになじませて油分の汚れを浮かせます。


この1杯分のぬるま湯のひと手間を加えると油分のベタつきが軽減し後に行うシャンプーの泡立ちも少し良くなります。


しかし純度100%のオイルはクレンジングオイルのように界面活性剤が配合されていないので、頭皮や髪を濯いだ時に油分のベタつきが残る可能性があるので注意が必要です。

 


5. シャンプーで頭皮と髪の毛を洗う

5. シャンプーで頭皮と髪の毛を洗う


シャンプーで頭皮や髪に残ったオイルの成分や、汚れをすっきりと洗い落とします。

 


クレンジングオイルを使用した場合は1回、純度100%のオイルを使用した場合は2回のシャンプーでよく洗い流しましょう。

 


6. トリートメントもしくはコンディショナーを行う

6. トリートメントもしくはコンディショナーを行う


シャンプーの後はトリートメント、もしくはコンディショナーで指通りの良い状態の髪に整えましょう。

リンスインシャンプーなどオールインワンタイプのものではないシャンプーの場合、トリートメントやコンディショナーを行わないと髪が乾いた時に絡まったり、パサついたりして髪に負担がかかってしまいます。


ドライヤーの熱から髪のうるおいを守ってくれる働きもあるので、トリートメントやコンディショナーはシャンプーの後に忘れずに行いましょう。


7. ドライヤーで頭皮をよく乾かす

7. ドライヤーで頭皮をよく乾かす


トリートメントの後はタオルドライで髪と頭皮の水分を拭き取り、ドライヤーでよく乾かします。髪や頭皮を自然乾燥させている人もいますが、濡れたままで長時間過ごしているとフケやかゆみ・嫌な臭いの原因になるので注意が必要です。


ドライヤーで地肌を乾かした後で、髪の中間部分に温風を当てると毛先がパサつきにくく、髪全体をキレイに乾かすことができます。


乾かした後で頭皮向けの化粧水や美容液をつけたり、ヘアオイルを髪の中間から毛先になじませたりして保湿ケアを行うのもおすすめです。頭皮も顔のように皮膚が空気に触れやすく、紫外線によるダメージで乾燥しやすいため、ヘアケアアイテムで保湿をすることも大切です。

 


オイルで頭皮クレンジングをする時の注意点

オイルで頭皮クレンジングをする時の注意点


オイルを使った頭皮ケアで気をつけたい頻度や、使用するオイルの種類についてご紹介します。すこやかな頭皮を長く保つためにも、やり方と一緒にチェックしておきましょう。


週に1回の頻度を目安にする

週に1回の頻度を目安にする


頭皮クレンジングは週に1~2回の頻度で行うのがポイントです。毎日のように頻繁におこなっていると頭皮に負担がかかったり、オイルの油分が頭皮の毛穴に詰まりやすくなったりするので注意しましょう。


オイルを洗い流す時は、シャンプーの頻度に気をつけてください。クレンジングオイルの場合は1回、ピュアなスキンケア向けオイルは2回のシャンプーでオイル特有のベタつきをできるだけしっかりと洗い流しましょう。


酸化したオイルは使用しない

酸化したオイルは使用しない


純度の高いスキンケア向けオイルは長時間空気に触れていたり、保存状態が悪かったりすると酸化してしまいます。酸化したオイルを使用するとニキビや、肌荒れが起こる場合があるので、開封後からあまり時間の経っていないフレッシュな状態のオイルを使うことが大切です。


特に純度100%のスキンケアオイルは添加物がほとんど含まれていないので、注意が必要です。オイルを保存する時は直射日光を避けて、なるべく気温の低い通気性の良い場所で保管しましょう。


 

オイルを使った頭皮クレンジングですこやかな頭皮環境を手に入れよう

頭皮クレンジングはシャンプーで落とし切れない溜まった皮脂汚れをすっきりとさせ、頭皮をやわらかく整えてくれるスペシャルケアです。クレンジングオイルや純度100%のスキンケア向けオイルを使うことで、頭皮に負担がかかりにくく乾燥しにくい状態を長くキープすることができます。

週1~2回を目安にオイルを使って頭皮クレンジングをしながら、すこやかな髪・頭皮を目指してみませんか。


監修者:東京大学 薬学博士 杜 垚

監修者

薬学博士・杜 垚

東京大学農学部を首席の成績で卒業、同年東京大学農学部長賞を受賞。
東京大学大学院薬学系研究科で分子薬学博士号を取得。
大手化粧品会社にてスキンケア、ヘアケア、クレンジングの研究開発や成分配合に長年従事。
2020年株式会社Merry Plusを設立、代表取締役に就任。

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