【薬学博士監修】お湯だけの洗顔で肌はキレイになる?メリット・デメリットや正しいやり方を徹底解説

石けんや洗顔フォームなど、洗顔料を使用して毎日洗顔をしている人が多いのではないでしょうか。しかし洗顔は必ずしも洗顔料を使う必要はありません。

今回は、お湯だけで洗顔するメリットやデメリットを詳しくまとめました。正しいお湯だけ洗顔のやり方や、ポイントも合わせてご紹介しているので、肌に合う洗顔方法を見つけたいとお悩みの人も参考にしてみてください。

 

目次

 


お湯だけの洗顔で肌はキレイにできる?

お湯だけの洗顔で肌はキレイにできる?

お湯だけで洗顔というと、「肌の汚れがほとんど落ちないのでは」と心配になる人もいるのではないでしょうか。

洗顔料には皮膚についた汚れや、余分な皮脂や古い角質を洗い落ちやすくする界面活性剤や洗浄成分が配合されていて、汚れをすっきりと洗い流してくれます。


しかし界面活性剤や洗浄成分は、肌の保湿に必要な皮脂まで一緒に洗い流してしまう可能性があります。肌質によっては毎日洗顔料で洗顔をしていると皮膚が乾燥してしまい、洗い過ぎてしまうケースもあるため注意が必要です。


お湯だけ洗顔は皮膚についた汚れを適度に洗い落として、洗い過ぎを防いでくれます。


お湯だけ洗顔の3つのメリット

お湯だけ洗顔の3つのメリット


お湯だけ洗顔は手軽に行えるだけでなく、嬉しいメリットがたくさんあります。

 

① 肌を洗い過ぎない

① 肌を洗い過ぎない


お湯だけ洗顔は洗顔料を使用しないため、肌にかかる負担を軽減することができます。

特に洗顔料にはお湯で洗い落ちやすくする界面活性剤や、汚れをすっきりとさせる洗浄成分が含まれているため、頻繁に使用すると保湿に必要な皮脂まで一緒に洗い流してしまい、肌本来の保湿力が低下してしまう可能性があります。


肌が乾燥してしまうと刺激から皮膚を守ろうと皮脂分泌が過剰になり、テカリやニキビ・肌荒れなど肌悩みを抱えてしまう場合があるので注意が必要です。


お湯だけ洗顔は肌刺激になりにくく、皮膚の汚れを適度に洗い流してくれます。洗顔時の肌負担にお悩みの時にもおすすめです。


② 保湿力をキープしやすい

② 保湿力をキープしやすい


洗い過ぎないお湯だけ洗顔は、保湿に必要な皮脂を維持しやすいため、肌本来の保湿力をキープしやすいというメリットがあります。


特に紫外線や花粉・埃など外部の刺激から皮膚を守ってくれる肌のバリア機能は、皮膚を洗い過ぎてしまうと低下してしまいます。

肌のバリア機能は肌のうるおいを長く保ち、乾燥から皮膚を守ってくれる大切な機能です。


お湯だけ洗顔は肌のバリア機能を守りながら、肌本来の保湿力を維持しやすくしてくれます。


③ 肌刺激になりにくい

③ 肌刺激になりにくい


洗顔料に含まれる洗浄成分や、界面活性剤はミセルやエマルジョンを形成していない単体が皮膚に残りやすい性質があるため、肌刺激になりやすいので注意が必要です。

特に刺激に敏感なデリケートな肌や、乾燥肌の場合は毎日使い続けていると、皮膚が刺激を感じやすくなる場合があります。


お湯だけ洗顔は皮膚を必要以上に刺激しにくく、肌の汚れを適度に洗い流すため、肌刺激になりにくいというメリットがあります。


▶︎洗顔はお湯と洗顔料どちらがいいの?詳しくはこちら

 

お湯だけ洗顔のデメリット

お湯だけ洗顔のデメリット


お湯だけ洗顔にはメリットが多いですが、良い面もあればデメリットもあります。

今までお湯だけ洗顔をして「肌に合わなかった」と感じた人は、メリットだけでなくデメリットの特徴もチェックしながら、なぜ自分の肌とは相性が良くなかったのか確認してみてください。


① 熱湯を使うと皮膚の乾燥が目立つ場合も

① 熱湯を使うと皮膚の乾燥が目立つ場合も


お湯だけで洗顔する場合、「お風呂のような熱湯で洗顔した方が汚れが良く落ちるのでは」となるべく熱いお湯で洗顔する人がいます。

しかし熱湯で洗顔をすると皮脂が洗い流されてしまい、洗顔料を使用した時のように皮膚のツッパリ感やカサつきを感じてしまうケースがあるので注意が必要です。


お湯だけ洗顔をする時は、ぬるいと感じる程度のお湯を使うのがポイントです。特に皮膚がカサつきやすい乾燥肌や、肌刺激に敏感な人はお湯の温度を意識しながら洗顔をしてみてください。


② 角栓やメイク汚れはすっきりと洗い落とせない

② 角栓やメイク汚れはすっきりと洗い落とせない


お湯だけ洗顔のデメリットは、洗浄力に欠けている点です。

特にクレンジング後に皮膚に残ったメイク汚れや、毛穴に詰まりやすい皮脂汚れをすっきりと洗い落とす洗浄力が弱いので、皮膚の汚れを十分に落とし切れない可能性があります。


クレンジングをした後は洗顔料を使用した洗顔をして、朝のみお湯だけ洗顔をしたり、W洗顔不要のクレンジングを使用したりと、肌の状態に合わせて汚れを溜め込まないように洗顔方法を使い分けてみましょう。

 

正しいお湯だけ洗顔のやり方を紹介

正しいお湯だけ洗顔のやり方を紹介


お湯だけ洗顔は正しいやり方を身につければ、皮膚についた汚れを適度に洗い流し肌の保湿力をキープすることができます。このような手順を意識してみてください。

  1. 手を綺麗に洗浄する
  2. お湯の温度を調節する
  3. 手のひらにお湯を溜めて、顔全体をよく濯ぐ
  4. おでこの生え際・鼻周り・フェイスラインもよく濯ぐ
  5. タオルで水分をポンポンと軽く拭き取る
  6. 顔全体の保湿ケアをする

まず洗顔をする前に手をよく洗いましょう。手のひらは日常生活の中でも雑菌がつきやすく、そのまま洗顔をすると顔にも雑菌がついてしまいます。洗顔前に手のひら・手の甲・指の間をキレイに洗浄するのがポイントです。


顔全体を濯ぐ時は手のひらにお湯を溜めて、おでこや頬・あごなど広い面を中心に濯ぎます。しつこいぐらいに何度も丁寧に濯ぎましょう。

おでこの生え際や、鼻周り・フェイスラインは片手にお湯を溜めてお湯を肌に押し当てるように濯ぐと、皮膚の凸凹がある部分も濯ぎやすくなります。


洗顔後は皮膚が乾きやすいので、時間を置かずに化粧水や美容液・乳液などで肌にうるおいを与えて、乾燥しないように保湿ケアを行いましょう。


▶︎冷水洗顔について詳しく知りたい方はこちら
▶︎朝の洗顔について詳しく知りたい方はこちら


お湯だけ洗顔のポイント

お湯だけ洗顔のポイント


お湯だけ洗顔は手順と一緒に、やり方のポイントも押さえておくのがおすすめです。「お湯だけ洗顔が肌に合わない」と感じた時は、ポイントを確認しながら日々のスキンケアをしてみてください。

 

熱湯は使わない

熱湯は使わない


お風呂のような熱湯で洗顔を行うと皮膚が乾燥してしまい、お湯だけ洗顔でも肌に負担がかかる可能性があります。2532前後のぬるま湯を使用するのがポイントです。


お湯の温度が高いと保湿に必要な皮脂まで一緒に洗い流し、洗顔後の肌がカサついてしまう場合があります。特に乾燥肌や敏感肌の人は、「ぬるい」と感じるお湯での洗顔がおすすめです。


無理に続けない

無理に続けない


お湯だけ洗顔は洗浄力が弱いため、毎日続けていると皮膚に汚れが溜まってしまう場合があります。

特にベースメイクに時間をかけてしっかりと作ったメイクや、耐久性の高いコスメを使ったメイクのクレンジング後は、皮膚にメイク汚れやクレンジングの成分が残りやすいので、注意が必要です。


夜の洗顔では洗顔料ありの洗顔をして朝のみお湯だけ洗顔をしたり、週に数回お湯だけ洗顔をとりいれたりと、肌に汚れが溜まりにくく無理なく続けられるペースでお湯だけ洗顔をとりいれてみましょう。

W洗顔なしのクレンジングの場合は、仕上げにお湯だけ洗顔でさっぱりと肌を整えるのもおすすめです。

 

肌質・状態に合わせてとりいれる

肌質・状態に合わせてとりいれる


お湯だけ洗顔が肌に負担がかかりにくいメリットがありますが、皮脂汚れをすっきりと洗い流せるわけではありません。

特に皮脂分泌が多い脂性肌や、部分によって皮脂分泌が活発になりやすい混合肌の人は、お湯だけ洗顔を頻繁にしていると、ニキビや肌荒れに悩む場合があります。


肌質や肌の状態に合わせて、適度にお湯だけ洗顔をとりいれてみるのがおすすめです。無理に毎日続けるのではなく、肌に合わせて日々のスキンケアにとりいれてみましょう。


自分の肌に合わせてお湯だけ洗顔をとりいれてみよう

お湯だけ洗顔は洗浄成分や、界面活性剤を含む洗顔料を使わないので、肌にかかる負担を軽減し肌刺激を減らすことができます。

しかし洗浄力は弱いので、肌の状態や肌質によっては頻繁に行うとニキビや肌荒れを招いてしまう可能性もあるので注意が必要です。


今回ご紹介した正しいやり方と、ポイントをチェックしながら自分の肌の状態に合わせて、適度な頻度でお湯だけ洗顔をとりいれてみてはいかがでしょうか。


監修者:東京大学 薬学博士 杜 垚

監修者

薬学博士・杜 垚

東京大学農学部を首席の成績で卒業、同年東京大学農学部長賞を受賞。
東京大学大学院薬学系研究科で分子薬学博士号を取得。
大手化粧品会社にてスキンケア、ヘアケア、クレンジングの研究開発や成分配合に長年従事。
2020年株式会社Merry Plusを設立、代表取締役に就任。

関連記事一覧