【薬学博士監修】アトピーが気になる人向けのクレンジング方法とは?詳しいやり方を徹底解説

アトピーが気になる人は、毎日のスキンケアをどうすればいいか悩んでしまうことも多いのではないでしょうか。特にクレンジングは肌にかかる負担が大きかったり、刺激を強く感じてしまったりとメイク落としに悩みを抱えてしまう人もいます。


今回はアトピーが気になる人向けのクレンジングについて、詳しくまとめました。クレンジングのやり方や、向いているクレンジング料の特徴についてもご紹介しているので、肌に負担がかかりにくいメイク落としが知りたいという人も必見です。

 

目次

 

 

アトピーが気になる人向けのクレンジングとは?

アトピーが気になる人向けのクレンジングとは?


アトピーが気になる人は肌に刺激になりにくく、皮膚に負担が少なくメイクと肌になじませやすいクレンジング料がおすすめです。


アトピーが目立ちやすい肌の人は肌の角質層が薄く、皮膚が刺激に敏感になりやすいという特徴があります。外からの刺激から皮膚を守る肌のバリア機能も低下しているため、他の肌質よりも紫外線や花粉・埃・寒暖差による刺激に敏感になり、皮膚に赤みや炎症が起こりやすいです。


クレンジングはスキンケアの中でも洗い落とすお手入れのため、肌に負担がかかりやすく、メイクとクレンジング料をなじませる時に肌刺激が起こりやすいので注意が必要です。

 

アトピーが気になる人に向いているクレンジングの特徴

アトピーが気になる人に向いているクレンジングの特徴


クレンジング料はメイクの油分や、皮膚の汚れを洗い流しやすくするために界面活性剤を配合しているものが大変多いです。界面活性剤というと「肌に悪い物」というイメージが浮かぶ人もいるでしょう。

しかし界面活性剤といっても化学由来のものと植物由来のもの、イオン性のものと非イオン性のものがあり、種類によっては肌負担が少なく、皮膚刺激になりにくいものもたくさんあります。界面活性剤が配合されているクレンジングだからといって、アトピーが気になる時には使わない方がいいというわけではありません。


肌がデリケートな状態でも使いやすいクレンジング料を選ぶのがポイントです。アトピーが気になる時に向いているクレンジング料の特徴を詳しくみていきましょう。


肌なじみが良いなめらかなテクスチャー

肌なじみが良いなめらかなテクスチャー


アトピーが気になる時は、なめらかでメイクになじませやすいテクスチャーのクレンジング料がおすすめです。

機能性に優れているクレンジングでも、力を入れないと肌になじませにくい重いテクスチャーのものだと皮膚が擦れてしまい、肌刺激が強くなってしまいます。


濃いメイクや耐久性の高いメイクの場合は、クレンジングバーム軽いテクスチャーの油溶性のジェルクレンジングが向いています。

化粧下地+フェイスパウダーのようなナチュラルメイクの時は、伸びやすいミルククレンジングやクリームクレンジングがおすすめです。


▶︎摩擦は肌にどう影響するの?詳しくはこちら

 

 

保湿力に優れたタイプで肌のバリア機能を保つ

保湿力に優れたタイプで肌のバリア機能を保つ


角質層が薄く皮膚が刺激に敏感になりやすい肌の場合は、肌にうるおいを与えてくれる保湿成分が配合されているクレンジングがおすすめです。


クレンジングや洗顔などの洗い落とすスキンケアは、肌のうるおいも一緒に洗い流しやすいお手入れです。

洗浄成分と一緒にグリセリンやBG、植物エキスなど、肌にうるおいを与え、皮膚のうるおいを長く維持する成分が一緒に配合されているものを選んでみましょう。


メイクに合わせた洗浄力のあるもの


メイクに合わせた洗浄力のあるもの


なめらかで肌になじませやすいクレンジング料であっても、メイクに合う洗浄力がないと皮膚にメイクの成分が残ってしまい、肌荒れやニキビが起こる場合があります。


特にウォータープルーフ加工で耐久性の高いコスメや、密着力やカバー力に優れたファンデーションなどは洗浄力が弱いクレンジング料だと十分に洗い落とすことができない可能性があるので注意が必要です。

耐久性の高いメイクの場合は、クレンジングバーム・油溶性のジェルクレンジングといった洗浄力が高いタイプを選んでみましょう。


ミネラルコスメや化粧下地・フェイスパウダーのみといった軽いナチュラルメイクの場合は、ミルククレンジング・クリームクレンジングといった洗浄力がマイルドで肌に負担がかかりにくいものがおすすめです。


ウォータープルーフ加工でない日焼け止めのみの場合は、水溶性のジェルクレンジングまたは通常の洗顔料で落とすだけでも良いでしょう。


メイクに合わせて洗浄力をチェックしクレンジング料を使い分けると、アトピーが気になる時の肌にかかる負担を軽減することができます。


▶︎クレンジングタイプについて詳しく知りたい方はこちら


石油系界面活性剤不使用の洗い流すタイプ

石油系界面活性剤不使用の洗い流すタイプ


石油を原料に使い合成で作られた界面活性剤のことを『石油系界面活性剤』と言いますが、界面活性剤の中でも石油系界面活性剤は洗浄力が強かったり、肌に負担がかかりやすかったりするので、注意しておきたい成分です。


また、クレンジングには洗い流すタイプの他に、皮膚を擦ってメイクを拭き取るタイプがあります。拭き取るタイプのクレンジングにはコットンになじませて使うリキッドタイプ、予めクレンジング料が染みこんでいるシート状のクレンジング料があります。どちらも皮膚に強い摩擦が起こりやすく、肌にかかる負担が大きいです。


アトピーが気になる時は石油系界面活性剤不使用の洗い流すタイプのクレンジングを選びましょう。

 


アトピーが気になるときのクレンジングのやり方


アトピーが気になるときのクレンジングのやり方


アトピーが気になる時は肌負担をなるべく少なく、メイクの成分が皮膚に残らないようにしっかりメイクオフすることが大切です。

クレンジングのやり方のポイントを詳しくご紹介します。


適量のクレンジング料を使う

適量のクレンジング料を使う


使用するクレンジング料をケチってしまうと、肌になじませやすいなめらかなテクスチャーのものでもメイクにしっかりとなじまず、成分が皮膚に残ってしまう可能性があります。


パッケージにかかれている推奨量を参考にしながら、メイクオフに必要な量を使って顔全体にしっかりとなじませましょう。


特に伸びやすいミルクやみずみずしいテクスチャーのジェルは、肌に伸ばしやすくなじませやすいため、「使用量を節約できるのでは」と思いがちです。

しかしクレンジングは洗顔料やお湯で洗い流せないメイクを浮かせる役割があるため、適切な量を皮膚の上のメイクになじませることが大切です。


皮膚をゴシゴシ擦らない

皮膚をゴシゴシ擦らない


メイクや汚れをすっきりと落としたいあまり、無意識に皮膚をゴシゴシ擦ってしまう人も少なくありません。クレンジング料には洗浄成分が含まれているので、強めに皮膚を擦ると肌刺激になり、肌荒れや乾燥を招く原因となります。


クレンジングを顔全体になじませる時は、軽いタッチを意識しながらふんわりとメイクを浮かせるイメージでなじませるのがポイントです。


適量のクレンジング料を手のひらに出したら、おでこ・両頬・鼻・あごの5ヵ所に点置きし、顔の内側から外側に向かって指の腹を使いながらクルクルと全体になじませていきましょう。

凹凸の多い鼻周りや口周り、指の腹でなじませにくいフェイスラインは、指先でやわらかく触れながら、皮膚のシワに溜まりやすいメイクに優しくクレンジングをなじませるのがおすすめです。


「乳化」させてからしつこいぐらいに濯ぐ

「乳化」させてからしつこいぐらいに濯ぐ


クレンジング料を顔全体になじませた後は、ぬるま湯で「乳化」させてからよく濯ぎましょう。

乳化は少量の水分とクレンジング料をなじませて、メイクやクレンジングに含まれる油分を洗い流しやすくする工程です。ぬるま湯を指先にとり、肌になじませたクレンジング料と少しずつなじませていきます。クレンジング料が乳白色に変わってきたら、濯ぎのサインです。


洗い流すまでのひと手間ですが、乳化を行うことでメイクがすっきりと洗い流しやすくなります。乳化が終わったらメイクの成分が皮膚に残らないように、ぬるま湯でしつこいぐらいよく肌を濯ぎましょう。


水分はタオルを軽く押しつけるようにとる

水分はタオルを軽く押しつけるようにとる


洗い流し終えたら、水分をタオルで軽くポンポンと拭き取ります。タオルで皮膚をゴシゴシ擦るようにすると、繊維が皮膚に擦れて強い肌刺激になってしまうので注意が必要です。


タオルに水分を含ませるように、軽くポンポンと叩くように触れるのがおすすめです。水分をある程度拭き取ったら、化粧水をつけて肌にうるおいを与える保湿ケアを行いましょう。


肌なじみの良いクレンジングでアトピーが気になる肌もすっきりとメイクオフしよう

アトピーが気になる時は肌が刺激に敏感で、どのようにクレンジングをすればいいのか悩んでしまう人もいるのではないでしょうか。

デリケートになっている肌には、なめらかなテクスチャーのクレンジングやメイクに合わせた洗浄力のあるクレンジングを選ぶことが大切です。


今回ご紹介したアトピーが気になる肌に向いているクレンジングのやり方も参考にしながら、肌の状態に合うクレンジング料ですっきりとメイクオフしてみてください。


監修者:東京大学 薬学博士 杜 垚

監修者

薬学博士・杜 垚

東京大学農学部を首席の成績で卒業、同年東京大学農学部長賞を受賞。
東京大学大学院薬学系研究科で分子薬学博士号を取得。
大手化粧品会社にてスキンケア、ヘアケア、クレンジングの研究開発や成分配合に長年従事。
2020年株式会社Merry Plusを設立、代表取締役に就任。

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